火曜日の幻想譚 Ⅱ
143.人工の甘さ
あまりにも暇だったんで、カロリー0のジュースを飲みながら、だらだらとギャルゲーをやっていた。
どちらも素晴らしく甘いのだが、やっぱりどこか自然ではないし、体や精神に悪い気がして仕方がない。きっとこれが作られた甘みの限界なんだろうな。
どことなくうそくさい甘さのジュースと、どことなくうそくさい画面の向こうの女の子の言動。このままどっぷり使っていると、自分までうそくさい、虚構の存在になってしまいそうだ。
なぜだろう、自分はちゃんと存在しているのに。なぜか、そう思った。