火曜日の幻想譚 Ⅱ
203.浄化
水をのむ。水をのむ。水をのむ。
ただひたすらに、水をのむ。
美容とか、健康とか、そんな理由ではなく、水をのむ。
水をのむ。水をのむ。水をのむ。
ただひたすらに、水をのむ。
むくみとか、水中毒とか、そんな理由ではなく、水をのむ。
トイレへいく。トイレへいく。トイレへいく。
ただひたすらに、排尿する。
起きてるときも、寝ているときも、ひたすら、トイレへいく。
全てを、浄化したい。体内の全てを、排出してしまいたい。
自分の中のものを全部、何もかもを出しきってしまいたい。
だから、透明な水をのむ。水をのむ。水をのむ。
そして、トイレへいく。トイレへいく。トイレへいく。
きれいサッパリ出し切って、新しい自分として生きていこう。
そう思っても、頭には雑念がこびりついて。
今日も水を取り込んで、トイレに流す作業が始まる。