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紀之介
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好機。
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「お上。」
翌朝、中政師は広間で皇王に駆け寄った。
「太政師殿が自裁されたと仄聞しましたが!」
「…その方が、そう取り計らったのであろ?」
「ご、ご明察で──」
皇王が、沈黙で中政師に言葉を促す。
「恐れながら…奸臣を取り除いただけで御座いますれば」
「己の栄達のためであろう」
「め、滅相もございません。一重に、お上のために!」
「…まあ、良い。」
作品名:
好機。
作家名:
紀之介