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紀之介
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好機。
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「騒がしい。何事であるか!」
いきなり自分の書斎の扉を開けた人物を太政師は睨んだ。
「誰じゃ?」
「石柳で御座います」
「…お主か」
「恐れ多いことながら、このお屋敷を 兵で囲ませて頂きました」
太政師は思わず立ち上がる。
「まさか…中政師殿の命で?」
「御意」
「─ 愚かな事を」
「恐れ多い事ながら…太政師様におかれましても、ご覚悟を」
「── 事ここに至っては、ワシの本意ではないが 是非もなしか」
作品名:
好機。
作家名:
紀之介