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「小説を書くのが大好きですが、読むのも好きです」

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 10年の月日は長かった。旧アカウントで活動した期間も含めて考えれば、随分とたくさんの書き手仲間や読者さんをその場所で見送った。ネットの繋がりだから、お互いにどこの誰とも知らない緩いつながり方だ。それでも気が合えば話は盛り上がったし、私の拙い作品が好きだと熱心に感想を聞かせてくれる人もいて、愉しい時間を過ごせた。
 しかし、ある時、サイトを覗いたら、よく見知った人の名前が消えていたなんてことは珍しくはなかった。どれだけ親しくしていたとしても、いちいち報告なんてしないから、そこにあるはずの彼女の名前が消えているのを見て、初めて退会を知ることになる。
 読み専の人もいれば、私と同じ書き手もいた。書き手の中には潔く作品すべてを消して退会する人も多い。私もできれば、そういう格好良い去り方に憧れていたけれど、結局、作品すべてを消すことはできなかった。
 今までユーザーメニューの最下段にある「退会する」ボタンを怖々と眺め
ーここを押せば、すべてが終わりになり、無かったことになるのか。
 と思ってきたが、とうとう私自身もそれを押す日が来たんだなと思った。
 高い場所から飛び降りるつもりでボタンを押すと、
ーデータを消したい方は、先にデータを消してから退会して下さい。退会した後は、データ削除はできません。
 と表示が出る。
 作品は残すつもりだったので、そのままボタンを押すと一瞬で完了、これで私の存在はサイトから永遠に消えた。真に呆気ないものだ。
 試しに残した作品ページを開くと、直前までそこにあったユーザーネームは空白で、「ユーザーが存在しません」と表示が出る。それを見た時、
ーああ、本当に終わったんだな。
 と、ホッとしたような後悔にも似たようなあい矛盾した気持ちがわき上がった。
 だからといって、「書く」ことに消極的になったわけではない。これからは自分がこの場所こそ「終の住処」と決めた場所でマイペースで活動を続けてゆこうと考えている。
 たくさんの仲間が新天地をー自分に合った居場所を求めて、サイトを巣立っていった。今まで数え切れないほどの仲間を見送ってきた自分も、ついに飛び立つ日が来たのだと思いたい。
 作品の完成度は変化しないまま、筆歴だけは長くなった。小説書きとしての道を志して、28年になる。それにしても、夕食を作る母の傍らで「コスモス文学新人賞」の話をしたあの日から、私は少しも変わっていない。
 変化がないということは、ある意味、あまり成長していないという意味でもある。それが良いことなのかどうか判らないけれど、とにかく私は今もあの日ー二十年前と変わらず書き続けている。
 いつだったか、私の小説を好きだと言ってくださる方がこんなことを言われた。
ーブロ作家で好きな○○先生もいたんですけど、○○さんはもう随分前に活動を止めてしまったので、もう読めないんですよ。もしかしたら、プロとかアマとかより、ずっと書き続けてゆくことの方が大切なのかもしれないですよね。
 そのときも私の心に響いたけれど、噛みしめれば噛みしめるほど、含蓄のある言葉である。
 確かに、彼女の言うことは正しい。かつて受講したシナリオ通信講座の講師が最後の課題提出の際に餞として送ってくれた教えがある。
ー作家は書くことを止めたときから、作家ではなくなります。
 読者さんの言葉は、先生の言葉と相通ずるものがあるのではないか。であるなら、やはり、自分は恵まれた幸せ者なのだとしみじみ思うのだる
 プロ作家のように締め切りがあるわけでもなく、書きたいときに書きたいように書けば良い。なまじプロデビューしてしまうと、「後が続かない」と言われたくないから、ひたすら「売れる」ことを考えねばならない。現実として、新人賞で華々しくデビューした新人作家がデビュー作だけで消えていったという話は残念だが、たまに聞く話だ。
 その点、アマだと調子の悪いときは少し休もうかと様子見もできる。
ー本当に好きなことは「仕事」にしない方が幸せだ。
 とは、よく言ったものである。
 常に「売れる作品を」というプレッシャーを抱えての活動は、苦しいことこの上ないだろう。私には想像を絶する機会だ。負け惜しみでなく、そうなるとつくづく大変だろうと思う。
 自由に自らの妄想の世界ではばたけるのは、売れる心配をしなくても良いアマチュアの特権であるともいえる。こんなことに気づけたのも、長年馴染んだ小説サイトを退会するかどうか悩んだのがきっかけだった。
 人生、窮地に陥って初めて気づくことがあるというが、私の場合、これが初めてというわけではなく、「小説書き」としての道をまっとうすべく進んでいる最中、何度も直面した試練でもある。
 小説を書く者にとって、実は自分に最適の「居場所」を見つけることこそが最も難しい問題なのではないか。長年書き続けてきて見つけた私の居場所は、実はとても身近にあった。
 僭越な言い方かもしれないが、人生もそれなりに長く生きて色々な体験をしてきた今、あらゆる欲や野心がすべてそぎ落とされ、無心になれたように気もしている。無心は「初心」と通ずるだろう。初めてペンを取り自分だけの物語を原稿用紙に紡いだあの瞬間の純粋な歓び。自分でも信じられないほど軽やかになった心で、私は再びペンを握って原稿用紙に向かうのだ。
 自分にしか書けない、世界で一つの物語の扉を開くために。

☆「こんな自分でも誰かの役に立てたー小説を書いてきて良かった」    

皆様、こんばんは
 良かったら、聞いてくださいね。
朝、何となくアメブロのフォロワーさんのブログを読んでいました。
 滅多に読むことはないんですが、その方は私と同じ小説サイトに参加していて、アメブロでフォローして下さっているんですね。
 それで、たまたま興味を引かれてたんです。
 そうしたらー。
 何とも嬉しいことを書いて下さっていました。


NaNa\\\'s secret world
NaNaさんのブログです。最近の記事は「私の欲望」です。

ameblo.jp

 最初は、この「敬愛する作家」というのがまさか自分だとは思わなくて。
 で、ずっと読み進めていったら、どうも私のことではないかと思えてきて、
 最後まで読んで、「絶対、私だ」と確信しました。
 本当に、過分な褒め言葉を頂戴しまして、光栄すぎます(*^_^*)
 今夜、夕食の席で家族にもそのことを話したんですよ。
 今までも実は数人くらいは「尊敬してます」、「ファンです」と言って下さった奇特な方がいるにはいたんですけど、、、
 「敬愛」は初めてです(≧▽≦)
 私は謙遜ではなく、本当にそんな風に言って頂ける人間ではないし、実力もありません。
 でもでも、直截に褒めて戴くのは、やはり素直に嬉しいんです。
これは家族にも言ったんですが、、、
ーあなたに触発されて、小説を書き始めました。
 という方も今まで何人もいました。
ーあなたみたいな小説を書きたい。目標にします。
 そう言われた方も何人かいました。
 そして、それらの方は皆さん、目標にされたはずの私をあっさりと追い抜いて
 過去の私は、それが何となく嫌だった。