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はなもあらしも ~美弦編~

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 * ** 

 帰る道すがら勝利に浸りながらも、ともえには気になっている事があった。
 美弦は隣で笑っている。ともえは思い切って訊ねてみる事にした。

「美弦、あのさっ! さっき道場で私の事‘僕のともえ’って」
「言ったよ?」

 ともえが最後まで言う前に、美弦はあっさりとそう返す。

「え!? あの、それって……」
「そのまんまの意味だよ。ともえは僕のもの。なんか不服でもあるの?」
「えぇっ!? 不服っていうか」
「僕の事、嫌い?」
「嫌いなわけない!」
「じゃあ、好き?」

 美弦の真っ直ぐな瞳がともえを射る。ともえはその視線に頬が紅潮していくのが分かった。

「す、好き……」

 俯き小さくなりながらともえがそう答えると、美弦は満足そうに声高らかに笑った。

「あはは! それじゃあ師範、ともえの婿には僕がなります!」
「そうか、美弦。お前がともえさんの婿になるか」


「………………へ? って、それって一体どういう事ですかああっっ!?」