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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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#1 身勝手なコンピューター

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 睦美はしばらく耳を塞いだが、何も聞こえないと教授の次の指示が分からないと思い、耳から手を離した。しかし、暫く待っても飛鳥山教授の声は聞こえない。

     ・
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   「先生?」
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   「先生!?」

ガチャン! キキィーー!!

 睦美はドアを開けた。彼女は左側のドアから現れた。しかし、飛鳥山の姿はどこにも見当たらない。足の悪い教授が素早く隠れたり、部屋を出たりすることは不可能だと思われた。

「せんせい~。椅子に座ってるんじゃなかったんですか~?」

「冗談はやめてくださ~い」

 睦美はコンピューターのモニターに目をやった。
そこには、『左のドアの確率が100%です』と表示されている。
「予想的中させたのね」

(でも、先生はどうしちゃったのかしら、コンピューターに聞いてみよう)

『飛鳥山先生は、今どこに居る?』と入力してみた。
するとすぐにコンピューターは、モニター上に回答を表示した。

『飛鳥山教授は存在しません』

(・・・あ! 私が耳を塞いじゃったから、0%の確率が・・・)


     終わり