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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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おーまいごっど【完結版】

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 下り坂なのに自転車を立ち漕ぎする少女。八坂結衣である。
「妹尾君。会いたい。会って謝りたい!」
 彼女は彼氏にビンタしてしまったことに対し、さっきから突如として自責の念が湧き、セニョール君のもとに猛スピードで急いでいた。鈴成神社の前に来た時、坂の下から上ってくるセコビッチの自転車に気が付いて、結衣は急ブレーキで止まった。

 キーーーーーキキキキキ!

 その音に驚いて会話をやめ、前方を見上げたセコビッチは、自転車を止めようと漕ぐ足を緩めた。途端、セニョールが首を伸ばして前方を覗き込んだので、セコビッチはまた、自転車ごとふら付いてしまった。

 ガシャーン!

「あたたたた。またこけた! チクショー今日2回目だぜ」
「妹尾くん! 大丈夫!?」
 結衣は自分の自転車を突き飛ばすように飛び降りて、転んだセニョールに駆け寄った。
「結衣さん、どうしたの!?」
「ケガはない?」
「ああ、大丈夫だよ」
「今回は俺もケガはない・・・て、誰も聞いてないか」
セコビッチのことは結衣の視界に入っていないようだ。
「どうしても、妹尾君に謝りたくて、家まで会いに行こうと思ってたの。妹尾君はどうしてここに?」」
「僕も今日の仲直りをするために来たんだけど」
「そうだったの。ごめんなさい。私が悪かったわ・・・」
     ・
     ・
     ・

 セニョールと結衣、二人だけの会話が続いた。その間セコビッチは自転車を起こして、また鳥居の横に停め、暫く二人のことを待った。神様も微笑んでその二人を見ている。もう、空には夕焼けがかかり始めていた。