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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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おーまいごっど【完結版】

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第漆話 満願成就



「3人分の願い事なので、3ポイントゲットです。下界復帰初日から、幸先のいいスタートが切れました」
と神様は満足げな表情である。

 セコビッチはセニョールを荷台に乗せて自転車を一生懸命に漕いでいた。神様を鈴成神社に送っていくためだ。
「まさかマリちゃんに会えるとはなぁ」
「お前を10年間恨んでたんだぞ」
「きっと寂しかったんだよ。もっとマリちゃんと話したかったな」
「ついさっきまで、悪霊退治だと思ってビビってたのに、なんだよそれ」
「ほほほほほ、ビビってたのはセコビッチさんの方だったのでは?」
「お、俺は別に、ビビってなんかいねえよ」
「悪霊を退治するより、怨念を晴らしてあげる方がお互いの為には良いのです」
「でもよう! 俺の背中に乗らないで、今度はセニョの背中に乗ってくれよ」
「いいえ、ここが気に入ったのです」
神様は風を浴びながら、涼しそうな顔で言った。
「今日は自転車漕いで神社に行ったり来たり、なんか俺ばっかり損してねえか?」
「願い事を叶えるということには、精進というものが付き物なのです」
「もう、早く解放してほしいぜ」
「でも、これから結衣さんと仲直りしに行かないと」
「それは、ご自分で頑張ってください」
「おい、神さんよ。ついでに仲直りまでさせてやってくれないか?」
セコビッチがお願いしてみると、
「僕もね、そうしてあげたいんですけどね。鈴成神社で一日に二つも願い事を叶えちゃったら、成就率100%になっちゃうんでね。これはキビシイなぁ」
「そうかよ。ケチ臭い神さんだな」
「セコビーもういいよ。だって結衣さんもビンタしないようにお願いしてたってことは、僕のこと大切に思ってくれてるってことだから、きっと仲直りできるよ」
セニョールは、微笑みながら、
「神様、ありがとう。僕一人で頑張ります」
「ほほほほ、すばらしい。その意気です」