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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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おーまいごっど【完結版】

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神様は杓をちょいちょいと操作して、化け猫に向けた。
「ニャにゃニャニャン、にょニャ、ににゃにゃニャイ」
すると杓から音声が、

「ワスレタ、トハ、イワセナイ」

「おお〜。見事」
一同、感心してしまった。

「そんなことより、忘れている何かが許せないようですよ」
「マリちゃん。あまりにも前のことで、それに僕は小さかったから、よく覚えてないんだ」
「にゃににょー!(何をー!)」
全身から暗黒のオーラを漂わせ、怒りに打ち震えるマリちゃん。

「だから、僕が何をしたの? いい子だから教えて」
「フンっぎゃー、にゃんニャニョにゃにゃん・・・(いっつも、おいらのごはん横取りしてたじゃないかー!」
「えぇ? そんなことしてたっけ?」
「にょーニャにゃん・・・(そうだよ。おいらが叩かないと、こっそり食べてただろー!」

「セニョお前、キャットフード盗み食いしてたのか?」
「・・・そうだったかも知れない」
「ビンタって、猫パンチ食らってたんだな」
「でもそんなことで、ずっと恨み続けてるの?」
「ニャにゃニャンにゃにゃん(そればかりか、おいらが死にかけてた時も、横で盗み食いしてたじゃないか!!」
「あ、そりゃヒドイな。セニョが悪い」
「そうか、マリちゃん。ごめん。それは僕が悪かった。きっと寂しい思いしたんだね」
「にゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん(泣)にゃにゃにゃいにょ・・・(お供えも食べてた〜)」
「セニョ最悪」
セコビッチは眉間にしわを寄せて言った。するとセニョールは、小走りで家の中へ入って行った。

 それを笑顔で見送る神様。泣きべそをかいて立ち尽くす化け猫。どうしていいか分からないセコビッチ。

 暫くすると、セニョールは手に皿を持って戻ってきた。
「マリちゃん。これ食べて」
その皿の上に載っているのは、サバの塩焼き。