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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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おーまいごっど【完結版】

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「ほほう。君はこの友達がビンタされないようにお願いしたのですね」
「ええ、そんなことがその杓に書かれてるんですか?」
「ええ、もちろん。ほら」
神様は、杓の表面を二人に見せた。そこにはまるでスマホの画面のように、セコビッチのお願い履歴が表示されている。フォントは草書体だが。
「すっご! ちょっとハイテクじゃないか!」
セコビッチが思わず声を上げた。
「そんことないですよ。ただの神ワザですよ」
するとセニョールが、
「神様ってそうやって、お願い事を確認してるんですね」
「ええ、でもこの神社なんか、この1年でたった7件ですよ」
「少くな。廃れてますからね。ここ」
二人は今にも崩れそうな拝殿を見上げた。

「おや!?」
「どうしたんですか?」
 セニョールが聞くと、
「今日だけで3件も入っています」
「はははは、そのうち2件は俺らってことだな」
セコビッチが言うと、
「あれ? 3人とも同じ願い事ですよ? 『ビンタしない、されない』って願い」
「・・・・・・あと一人はもしかして」
「誰かは言えません。守秘義務がありますから」
神様は杓を胸に伏せて、またネクタイに変えた。

「同じ願い事であれば、同時に叶えてあげられるから、楽ちんなのです」
「一石三鳥だな。手抜きじゃねえだろうな」
セコビッチが挑発するように言った。
「手抜きだなんて。大きな神社なら大勢が来て、みんな同じような願い事ばっかりだから、一まとめに処理しちゃって成就ポイント上がるんですけどね」
「そんなシステムになってたのか」
セコビッチは呆れ顔で言った。