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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 5 たっぷり時間はあったのに

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「じゃ、そこ行こうか」
刑事の一人がそう言ってしまうと、恵美莉はもう断れない。

『St.Elmo’s Fire BAR(セント・エルモス・ファイヤー バー)』
 正真正銘、恵美莉の行き付けのバーだが、そこのマスターのヒデキとも、過ちの関係を持ったことがある。
(別に付き合ってたわけじゃないから、合コンで行っても文句なんかないでしょ)
そう考えて、“エルモ”へ皆を連れて行くことにした。

 “エルモ”に入ると、店は混んでいた。
「マスター、8人いけます?」
「お、恵美莉。電話くれたらテーブル取っとくのに」
「急に決まったから。立ち席しかない?」
「しばらくは、そうしてくれる? カウンターが空いたら案内するから」
「ありがと」
それを聞いた合コンメンバーは、
「恵美莉ちゃん、VIP待遇なんだね」
「恵美莉は入り浸ってるからね~! ぎゃはははは」
と、壊れかけのみのり。
「じゃ、ワンドリンクずつ注文して、同時に会計もお願いします」
と、恵美莉がこの店のルールを説明すると、
「え、一杯ずつ、支払う方式なの?」
「はい。客が行ったり来たりできる店だから、そういうシステムなの」
「じゃあ、パートナー決めて奢るよ」
刑事たちのその提案に、心トキメイタのはみのりだが、間髪入れず前に出たのはキャンさんだった。

     ・
     ・
     ・

「よし、ようやく塗り終わった」
 23時を過ぎて、春樹はようやく塗装を完了した。ほこりが付かないように、衣装ケースを逆さにかぶせて、大きくため息をついた。
「これで明日、箱に入れて持って行ける。・・・寝る!」
そのままベッドにもぐりこんで、照明も消さずに深い眠りに就いた。