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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 5 たっぷり時間はあったのに

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「ご飯食べてる暇ない!」
春樹は立ち上がると、
「気合いだー!」
両手を握りしめ、全身に力を込めて眠気を追い払った。これはプラモを作っていると、毎度のことだったが。

     ・
     ・
     ・

 21時頃、合コン会場の飲み屋では、そろそろお開きの空気になってきた。
「ねえ、みんなはこの後どうするの?」
気の利かない質問が、刑事の一人から出た。
「なんだお前、どうするかじゃないだろ、次行こ! 次!」
強引に話を進めようとする刑事もいる。それに便乗し、みのりは首を縦に勢い良く振るのだった。
 通常合コンの後は、話し足りないと思ったら、二次会へ駒を進める。もう十分(無理)と思ったら、女子は、団体で帰ろうとする。でもこの日は、女子から「帰らないと・・・」の一言は出なかった。つまり、刑事は結構いい男揃いだったわけだ。
「キャンさんは、この後も大丈夫ですか?」
と恵美莉が聞くと、
「ええ、楽しいから全然大丈夫よ」
と、はっきりとアピールする。
 奈美は彼氏の南刑事君と、どこまで付き合うかを相談しているようだ。しかし、恵美莉はそれほど乗り気ではなかった。自分好みの可愛い系男子がいなかったことと、昨晩は桧垣に研究室で抱かれていたので、それほどがっつく気にもなれなかったのだ。
「恵美莉も行くでしょ。次」
みのりは断らせようとしない。それに恵美莉は合わせるしかなかった。
(ま、みのりのためにも協力すっか)
そんなことを考えて、全員で次の店に行くことに合意した。

「どこ行こうか? 俺達この辺の店、あんまり詳しくないんだよ」
「恵美莉どこか紹介してよ」
みのりが強引に振って来るが、恵美莉もそれほど行き付けの店が多いわけではない。
「歩いて行けるとこだったら、駅近くの“エルモ”くらいかな」
「あ、そこ知ってる。一度行ってみたかった所なの」
キャンさんが急に乗り気になった。