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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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僕の弟、ハルキを探して<第二部>(改訂版)

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前々日にも議事堂に行って面接を申請しておいた僕は、もしくは「お兄様」であるからか、オズワルドさんに会うことが出来た。その時、オズワルドさんはくたびれた様子だった。通されたのは、彼の執務室だった。

「おお、お久しぶりでございますお兄様。お元気でしたか。ご無事で何よりです。なかなかお会い出来ず、申し訳ございませんでした」

軍に僕を送り込んだことを心配してくれていたのか、オズワルドさんはそう言ってあたたかく僕を迎えてくれた。僕は心配の無いこと、上手くいっていることなどを二言三言話し、仕事を中断してソファに来てくれたオズワルドさんに頭を下げた。

「議会の方は、あまり良くないのですか」

「ええ、何しろ本当に必要なところまで手が回らない有様でして…わたくしは日々、疑念を晴らすために申し開きをするのですが、聞く耳持たんと、皆はねつけられてしまって…会議が進みません。「ハルキ様」に不信を抱く者は居ないのでそこは心配は無いのですが、わたくしが出来もしないのに、ハルキ様のご命令と称して悪政を働くつもりであろうとの見方をする者が、いかんせん多すぎるのです…」

僕はそのオズワルドさんの重い責任と行き詰まった立場を思うと、自分の話がしにくかった。でも、迷っていては本当のことを確かめることも出来ない。いつもの通りに出されたお茶を飲み、僕はオズワルドさんの方に身を乗り出す。

「その、春喜のことで、僕は、議会の方とは違う疑念を抱いています」

そう言った時、僕は緊張していた。もしオズワルドさんがこれに興味を示さずに僕の意見を拒否してしまえば、春喜に会えなくなるからだ。そうすれば何もわからない。オズワルドさんはどういうことかと不思議に思ったのか、彼も僕にちょっと近づいた。

「疑念、とは…一体なんのことでしょうか?」

どう言えばこの危機感が伝わるのだろうか?僕は迷っていた。

「僕は…この「春喜が守っている」という世界について、「本当にそれはなされているのだろうか?」と疑問に思うんです。僕たちは軍に所属し、日々、侵入者と闘っています。でも、戦場で兵士の危機を春喜が救った、もしくは…そのために、一人の兵士を犠牲にした…そういう話も、もう聴きました…。だから思うんです。神が僕たちを守りたいならすぐに出来るのに、僕たちは闘わされているのだと…。オズワルドさんは、そのことについてどうお考えになりますか?」

オズワルドさんは一瞬だけ戸惑いを表情に見せたけど、すぐに僕を見つめ直し、かすかに頷いた。

「わたくしも実は、そのことについて長い間、考えております」

そう言ってオズワルドさんは手早くお茶を一口二口飲む。

「不思議なことですが、我々の住んでいるこの一帯には、毒のある植物や動物はおりません。だから初め我々は、ここは神がお与えくださったエデンなのではないかと思ったのです。しかし、外から侵入してくる、我々を脅かす者たちが現れました。それでわたくしは、果たして初めに感じたことを信じていいのかどうか、疑問に思いました…。しかしハルキ様のお言葉は間違いなく我々を豊かにし、救って下さっています。ですから、もし我々が与えられたものがエデンではなく、試練だとしたら、…それはまず、ハルキ様の口から告げられるのだろうと思い、わたくしは過ごしています…」

僕は「やっぱりこの人はもう知っていた」と思って、少し勇気が湧いた。そして、僕ならそれを確かめられるんじゃないかと思って、オズワルドさんにこう言った。

「では、僕を春喜に会わせていただけませんか?僕は春喜の兄です、僕になら話してくれるかもしれません」

「…わかりました。しかし、軍の兵士との面会を全面的にお断りになった以上、ハルキ様がお会いになるかはわかりません。ですが、明日のわたくしの拝謁の際に、ハルキ様に呼びかけてみることに致しましょう」

「よろしくお願いします」