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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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僕の弟、ハルキを探して<第二部>(改訂版)

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闘いが終わる頃には、全員がへとへとになっていた。僕たちは体はくたびれ、ロジャーとアイモは少し怪我をしていたので、ロザリーナの手当てを受けていた。

「大丈夫?もうすぐ終わるから…」

「大丈夫。痛くなくなってきたよ。ありがとう」

「良かった…」

もし戦闘になったら、僕とイワンはロジャーの足元でタカシを抱きかかえるようにと言われていた。

僕が違う次元へモンスターを送ったとして、そこに僕たちが辿り着いてもう一度相手をすることになると面倒だと、兵長から言われたからだ。

僕の腕の中に居たタカシは怯えていたけど、僕がずっと撫でてやっていると、少し落ち着いたようだった。それから僕たちは集まって話を始める。


「ここがもしあんちゃんが奴らを送っていた場所なら、ハルキ様が飛んだのもここだってことも考えられるぜ。転移させるのにやりやすい場所ってことだろ?それなら自分を送るのも同じかもしれない」

「それはそうかもしれないが、あえてこんな危険な場所を選ぶか?それに、俺たちが初めに飛んだ場所はここじゃないじゃないか」

「そりゃあそうだが…でも、危険な場所でもハルキ様はかまわないと思うぜ。何せ、誰も近づけない防御壁を張れるんだからな」

「うーん…」

ロジャーとジョンはそう話している。兵長は黙ってそれを聴いていた。

「あんちゃんよ、タカシ様の様子はどうだ?」

そう聞かれて僕はタカシを見たが、タカシは僕の膝の上で眠ってしまっていた。

「眠っているので、どうとも…」

「ザミョートフ、透視を始めてくれ」

「了解しました」

イワンは数限りなく異次元の様子を透視したので、もう目を開けたまま透視が出来るようになっていた。

「とにかく、いつも通りに少し探してみよう。警戒を怠るなよ」

兵長がそう言うので、僕は寝ているタカシを抱いて、僕たちは森の中を歩き出した。





それから僕たちは、あてどもなくその森を歩き、モンスターたちはその中に潜んで僕たちを見つけては襲い掛かってきた。

すべてをかわすのは難しく、全員に濃い疲労が表れ始める。

「広い森だな。しかも襲ってくる奴らばかりだ。もう勘弁してほしいところだ」

ジョンがそうこぼした時、けもの道の脇から、いきなり炎が飛び込んできた。

「きゃあっ!?」

ロザリーナさんがびっくりして、慌ててアイモを抱える。僕は急いで右手をかざし、吸い込まれていく炎を別の次元へと送った。そして、その主をロジャーとジョン、兵長が必死に探す。

でも、モンスターはどこにも居なかった。

「なんでだよ!?なんで何も居ないのにこんなことが!?」

「あんちゃん!何も居ないぜ!」

僕がくたびれる頃、やっと炎は止んだけど、ドラゴンらしきものも見えず、炎の正体は分からなかった。

でもそこで、イワンが突然叫ぶ。

「居た!居ました!」

彼は興奮して遠くに向かって視線を浮かせていた。僕たちは全員その方向を見る。

「ザミョートフ、間違いないのか」

「ええ。必ずここに居ます。この森の奥だと思います。」

「よし。では行こう」



それから僕たちは洪水のような急な鉄砲水、飛んでくる岩などに道を阻まれて、なかなか進むことが出来なかった。

何しろ、それらをいつも放っていたモンスターは居ないのに、そんなことが起こるのだ。

辺りにはモンスターが闊歩する地響きも無い。

でも僕たちは緊張し、感覚を研ぎ澄ませて目を走らせ、慎重に森の中を進んでいた。すると、行く手に兵長が何かを見つける。

「あれは…青い炎だ!」

僕たちは一斉に前を見て、目を凝らした。確かに、遠くに青い炎のようなものが見える。

それは森を抜けた木の根元に揺らめいているらしかった。イワンが初めに言ったことと同じだ。

「慎重に進め!おそらくここが一番危険だ!」

僕たちにはもう分かっていた。

あの炎や鉄砲水などは、多分、春喜が作っていた仕掛けだ。モンスターを自分から遠ざけておくために。

だったら、この先が一番厳しい道だろう。実際に近づいていくのだから。するとそこで、兵長がこう言う。

「あれは多分ハルキ様だろう。見つかったなら、遠慮をすることはない。何かが来たら、迷わず別の次元へと送れ」

「…はい」