小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

僕の弟、ハルキを探して<第二部>(改訂版)

INDEX|29ページ/32ページ|

次のページ前のページ
 



気が付くと、僕たちは土のような岩のような地面に足をつけて立っていた。そこは、森林のようだった。でも生えている木はどれも見たことがなく、それに、木の葉はすべて真っ赤だった。

「ここは…」

「移動は成功したようだな」

兵長が僕の隣で満足したように頷いた。僕は慌てて周りを見回し、全員が揃っているか確認した。

居る。ちゃんと居る。でもみんな、見た事もない光景に驚いて、ロザリーナは少し怖がっているようだった。

「見て下さい…空が…!」

ロザリーナはそう言って上を指差す。僕たちが見上げると、アイモは「ああっ!」と叫び声を上げた。


それは、真っ赤な空だった。どう見ても夕焼けには見えない、血のように赤い空が広がり、煙のようなものがところどころ漂う空は、不気味で恐ろしかった。


「早くハルキ様を探そう」





僕たちはタカシを先頭に歩いて、何度も違う次元へと移って行った。その間に、僕は少しずつ、次元の遠さや近さを測れるようになり、その結果、自分たちの元居た世界に近い場所に移って、水や食料を補給することが出来た。

別の次元に転移する時には、全員がロザリーナの持つ手鏡を覗き込んで、僕が右手をかざす。そこに着いたらタカシの反応を見て、その次元をイワンが透視しながら、春喜を探す。

そうしてくるりくるりと回る世界の中を、僕たちは旅していった。




どうして見つからないんだ。


そんな苛立ちが、全員の間に広がっていた。

ロジャーはカリカリして、ロザリーナとアイモはふさぎこみがちになり、ジョンは黙りこくって、兵長でさえ苛立ちを隠せない時もあった。

数限りなく存在する次元を一つ一つ、人間一人だけを探しに移動していく。

それは途方もない、それこそ永遠の時間が必要なことだ。僕は後悔した。


こんなことに、いつまでもみんなを巻き込んでいていいのだろうか?それより、人々を元の世界に全員移して、僕は弟のことを諦めればいいんじゃないだろうか?


そう思うたびに、最後に見た春喜の悲しそうな、悔しそうな顔が浮かんで、僕の頭を離れなかった。




ある次元に移った時、それは起きた。

僕たちが辿り着いた場所は森の中で、それこそモンスターだらけだった。

「あぶない!」

まず初めにアイモがそう叫び、全員が降り掛かってきたモンスターの鉤爪を避けた。

「運が悪かったな!俺は今、虫の居所が悪いんだぜ!」

ロジャーがそう叫び、そこら中を埋め尽くすモンスターを焼いた。久しぶりに彼の目が、赤い熱に燃える。

「やっとおでましだな」

こちらに向かってくる分を、兵長は挙げた片手でぴたりと止めて、それをジョンが切り裂いた。

アイモはあとからあとからやってくるモンスターを持ち上げておいて、間を持たせる。久しぶりの闘いだった。

「いってえなこんちきしょう!お返しだ!」