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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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僕の弟、ハルキを探して<第二部>(改訂版)

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僕が一言一言話すごとに、兵長は焦り、青ざめ、やがては失意に呑まれたようにうつむいた。僕は夢の話と春喜の話を終えてから、こう言った。

「兵長、僕は弟にそんなことをさせたくないんです。弟はいわば、神様に利用されているだけです!そんなことで殺戮などさせません!それに…」

そこで僕は、街の中を走り回っている時に願っていたことを言いたくなった。

兵長がそれに頷いてくれるかは分からない。でも僕は、誰にでもいいから、この気持ちを話したかった。ずっとそう考えていた。

「それに、僕は…弟を人間に戻してやりたいんです…!もう一度、ただの兄弟として…僕たちはそうやって幸せに暮らしていたんですから…!」

僕は泣きながら、必死の思いで兵長を見つめた。

どうか彼が、「残念だが、我々を殺すようなら、ハルキ様を殺すしかない」とは言い出しませんように。そう祈った。

兵長も真剣に僕を見つめてくれていた。そして、一度頷くと、彼は急いで立ち上がり、扉へと歩く。

「兵士を全員集めるぞ!ハルキ様を探そう!私たちは一度、宮殿に行く必要がある!君は一班の者を叩き起こして、兵長室に居ろ!」

「は…はい!ありがとうございます!」


僕はその時、嬉しかった。


弟を大切に思う気持ちを分かってもらえたのだ。


僕は不安が消え、力が湧くのを感じた。


それからすぐにロジャーの部屋、ジョンの部屋、アイモの居る待機室を回り、兵長室へと戻った。そして彼らにも、神から言い渡されたことを伝えた。




「僕たち、死んじゃうの…?」

「あんまりだ…そんなの…」

アイモとジョンが絶望に暮れる中、ロジャーはじっと窓の外を見ていた。そして、僕の話が終わってから、こう言った。

「なあ…もしかして、ハルキ様は…異次元に自分を飛ばしたんじゃないか…?」

「えっ…?」

僕たちが呆気に取られている間に、ロジャーは僕を見て話を続ける。

「急に消えたんだろ?それってお前やハルキ様が戦場で使った力に似てるじゃねえか」

「だとしたら、人殺しをしない方法として、それを選んだのかもしれねえ、と、俺は思うんだが…」

僕は考え直して、確かにそうかもしれないと思った。

多分春喜なら、腕なんか動かさずとも力を使えるだろう。そう思っていると、ロジャーの隣でジョンも頷く。

「それは考えられるな。ハルキ様は泣いてたんだろ?きっと殺したくなかったんだ。だったら、一番いい方法でもある」

「そうだね、僕だって、神さまにそんなふうにあやつられちゃったら、そうするかも…」

アイモは悲しそうな顔をしていた。

僕は物事が一つの線上に並んだ感覚を得て頷き、みんなにこう言った。


「みんなに頼みたいことがあるんだ」


「なんだよ」

「なあに?」


僕は三人を見つめた。それが反射するように、三人からそれぞれ強い意志が返ってくる。


「弟を止めるのを、手伝ってほしい。僕一人では多分無理だと思う。それに、僕は弟を、元の子どもに戻してやりたいんだ…どうしたらいいのかはわからない。だから、みんな…」


そう言うと、ロジャーは僕を見てにやっと笑った。そして立ち上がる。


「頼まれるまでもねえことだ。今までだって、一緒に闘ってきたじゃねえか!」


僕は思わず泣いてしまった。僕の肩に重く圧し掛かった大きな荷を、みんなが手分けして背負ってくれる。こんなことがあるなんて。