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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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「その融資の条件には、必ずシロアリの予防消毒が義務付けられてるくらい、被害件数があるんですよ」
「でもそんなに被害があるなら、誰でも知ってるんじゃないですか?」
「そうですね。認識が低い理由は、家屋っていうのは、大きなシロアリ被害でも、基本的には耐えられる構造になってるってことですね。シロアリが柱を食べても、全部が無くなるわけじゃなくて、年輪の柔らかい部分だけ食べちゃうんで、硬い年輪でかろうじて持ちこたえてるんです。でもちょっと大きな地震が来たら、木造家屋が倒壊するのは、これが原因なんです」
「柔らかい木で建ててたら心配ってことなのかな? うちのお義父さんが外国の木材なんか使ったら、長持ちしないって言ってました」
「ああ。木の種類とかじゃなくって、捉え方なんですけど、外材は柱には向かないと思います。国産の材木は細いんで、中心の年輪を使った柱が取れるんです。外国の木は直径1メートルとかあるんで、細い柱を数十本切り出すと、外側ほど年輪の締まりが悪い柱になってしまうから、弱いのは事実です」
「そうだったの? でも消毒で予防してるんだったら大丈夫なんじゃ・・・」
「そうはいかないんですよ。その予防消毒するのが大工さんなんですから。安い薬剤使って、2~3年しか持たないんです。それなのにこの家の大きさだったら、50万円くらいの予算で請求されてたはずですよ」
「そんなにするんですか?」
「いえいえ。本当はその半額くらいです。しかも我々専門業者だったら、木材に薬塗るだけじゃなくって、穴を開けて注入したり、地面全体に水たまりが出来るほど薬剤を散布するんです。シロアリの巣は地面の中に作りますからね」
「この家大丈夫かしら」
「羽アリがいたとしたら、アウトでしょうね。もう床がフワフワしたりしてませんか?」
「それはないですけど・・・」