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「じゃ、お風呂場とかキッチンの床が濡れて変色しているところとか」
「それなら脱衣場の床が・・・」
「やっぱり、そういう個所は要注意ですよ。畳の部屋はありますよね」
「ええ、和室なら」
「そこから床下が覗けますから、確認しましょう」
そう言うと植村は、玄関に戻り、リュックからフラッシュライトを取り出して、靴を脱いで準備した。
「和室はこっちですか？」
「あ、はい」
　この主婦はもうパニック状態である。見知らぬ男がズカズカと家の中に入って行くのを、付いて歩くしか出来ないでいる。