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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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手順5 明るい消毒の段取り



 消毒工事当日の朝、呼び鈴が鳴って、主婦が玄関に現れると、植村は笑顔で待ち構えている。彼の背後には、いつもの営業車とは別の、荷室に消毒用の道具一式を積んだ軽バンが停まっていて、アルバイトの作業員が荷下ろしの準備をしている。
 小寺と岩田も、いつもの営業車で後を付いて来ていて、軽バンのそばにいる。4人で作業準備すれば、結構大層な工事に見えるし、大金を支払う価値があると錯覚させる作戦だ。
 実質的な作業者は、このアルバイト一人だ。消毒だけなら5時間もあれば十分だろう。しかし今日は、床下換気扇を取り付ける必要もある。その作業は、岩田と小寺が行う。植村は現場監督として何もしない。

「皆さん、ご苦労様です。今日はよろしくお願いします」
「は~い。よろしくお願いしま~す」
 主婦が挨拶すると、決まったように明るい返事をする作業者たち。
 アルバイトが薬液タンクを下ろし、コンプレッサーとホースを接続している間に、植村が薬の入った一斗缶から、計量カップに適量の薬剤を移し替えている。
 岩田は床下換気扇の入った段ボールを開梱し、小寺が長い電源ケーブルのリールを持って、主婦に聞いた。
「すみません。どこかコンセントをお借り出来ますか?」
主婦は初対面の作業者たちに緊張しながら、キョロキョロと周囲を見回して、
「あ、はい。じゃ、ガレージのコンセントを使ってください」
「ありがとうございます」
今度は植村が、
「水道も使わせもらっていいですか?」
「庭のでいいですか?」