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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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「工期は一日で大丈夫だと思います。今からですと、明後日と金曜日が空いています。土日はご主人さんがご在宅の家が多くて、工事予約がすぐ埋まっちゃうんです」
 本当は土日は在宅率が高いので、逆に営業をした方が効率よく契約が取れるから、工事の予定なんか入れない。
「うちは土日じゃなくてもいいですよ」
 もうこの会話が出来るということは、ほぼ十中八九この主婦は消毒をしようと考えているに違いない。植村は更に追い込みをかける。
「じゃ、急ですけど、工事を明後日にしてもらえたら、施工士を遊ばせなくて済むんで助かるから、面積を25坪ってことにして見積もりを書きますよ」
3坪分、つまり3万円のサービスという意味だ。
「そんなこといいんですか?」
「会社には正確な面積なんか判らないし、薬だって多少多く使っても問題ないんで、これくらい誤差の範囲です」
 植村の言う会社になど実態はない。それに散布する薬剤は、濃縮タイプで約10倍に水で薄めて使うものだが、余計に薄めれば、なんの痛手もなく、広い面積に撒くことが出来る。でも主婦は騙され、真剣に考えている。
「絶対、消毒が必要な状態だったんで、早い方がいいですし、奥さん美人だからサービスしますよ」
それを聞いて主婦は決断した。
「じゃ、旦那には私から説得するんで、明後日お願いします」

 昨日の写真を添付した調査報告書には、予め簡単な家の見取り図を描いておく。そこに被害の位置を詳細に図示し、その見積もり欄に金額を記入して、支払方法の説明をする。
 植村はいつも通りの手口で、まんまと契約を取ることが出来たわけだ。