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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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 こんな気楽に仕事出来るのは、営業のノウハウを知り尽くしたベテランのなせる業だ。そもそも彼らは会社員ではない。一人親方と呼ばれる、独立事業主なのだ。そんな3人が協力して契約だけを取り、消毒工事の施工は、ほとんどアルバイトにさせている。
 先ほどの主婦は、当然そんなことは知らない。大工には任せられないと信じて、この業者に消毒を依頼しようとしている。

「じゃ、明日は俺一人で、今日点検した家のクロージング(契約を取るまでの追い込み)やっとくわ」
と植村が腹立たしそうに言った。
「今日は美人はおったのか?」
小寺が当たり前のような口調で聞く。
「最後の一軒は、エロそうな主婦だったんだ。あとでLINEしとく」

 飛び込みの営業は、ナンパと似ているところがある。ナンパ経験のある男性ならお解りだろうが、道行く女性に片っ端から声をかけ、無視され、軽蔑され、文句を言われる。でもそんなことは気にしない。誘いに乗る女性が見つかるまで、ただひたすら声をかけ続ければいいだけなのだ。これはまさに営業活動と同じだ。植村、小寺、岩田の3人には、まさに天職と思える仕事だった。

 翌日、植村は一人、昨日の主婦の家を再訪問した。
「こんにちは」
「あ、こんにちは。昨日はどうも」
「こちらこそ。お手間とらせてすみません。ご主人さんどうでしたか?」