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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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シロアリバスターズ

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「でもなんか怖いわ。うちには幼稚園に行ってる子がいるんで」
「安心してください。この薬は虫には毒ですけど、哺乳類には全く効果がない毒なんです。しかも匂いや空気で広がるんじゃなくって、その毒に触らないと効かないんです。いわゆる接触毒作用ってやつです」
「じゃ、床下に撒くだけなら、人はまず触らないってことですか?」
「その通りです。でも大量に請負う、農協さんとかホームセンターの下請け消毒業者は、自社の保証じゃなく大手営業店の保証を付けるので、いい加減な薬を使ってることが多いです。一昔前のピレスロイド系ってやつです。これも人畜無害とは言ってるんですが、実際には健康被害も報告されたりしてますし、もっと前の有機リン系の薬剤を使ってる業者までありますよ。それは農薬と同じ成分なんで、家に使っちゃダメなんですけど」
こう言って、馴染みの農協などに相談されることを防ごうとする。しかし一方では、ネオニコチノイド系の薬剤による人体への影響が懸念される研究もあるのだが、植村はそのことには触れないでいるのだ。

「じゃ、効果はどのくらい持つ薬なんですか?」
「一回消毒すると保証書を発行しますけど、もし再発したら無料で再消毒します。その期限は5年です。これは国がそう指導してるから、5年しか付けられないんで。でも実験室じゃ、薬に20年の持続効果が認められたそうですよ」
 こういった説明には根拠がある。消毒業者も仕入れ先から同じ説明を受けて、薬剤を選定しているのだ。

「どうしようかな。やってほしいんだけど、旦那にも相談しないといけないし」
 こう言われると、ここまでになってしまう。変に追い込んでせっかくその気になった主婦を思いとどまらせることだけは避けたい。
「そうですね。遅かれ早かれ必要になるんで、ご主人さんにもこの写真を見せてあげてください。LINEのID教えてもらえますか? 写真送ります」
「あ、はい」
植村は、うまくこの主婦のLINEをゲットした。