ヤクザ、VRゲームにハマる!
その後、寺井が殺人ビジネスについて知ってしまっていた。武器取り引きに応じなかったから報復にてバラされたのか、それとも寺井のカンが鋭かったのか、いずれにせよ、
寺井はビジネスに協力的でなく、会長や原の兄貴に報告するかもしれない。平井組を私物化した件を含めれば、マサシにどんな罰があるか。マサシは寺井を殺害するべく、寺井の自宅に組員を派遣した。寺井はゲーム中であり、隙だらけだった。
〜寺井の視点〜
平井組に調査員を派遣して殺人ビジネスの実態を調べた。マサシが大量殺人の主犯だということが分かったが、組全体を揺るがす問題になる筈で、マサシ一人が出頭して解決する問題ではない。カモフラージュなビジネス、イメージアップの為にしている本家山口組が抱える健全な表の家業についても、世間からの風当たりが強くなる。マサシが警察に捕まれば組全体を含めて存亡の危機になる。寺井はマサシに言った「組を辞めて二度とこの街に表れないのなら、今回の件は黙ってやる」
しかし、マサシは出ていくつもりはなく、寺井を殺そうとしている。寺井はマサシを返り討ちにするべく罠を仕掛けた。
一見するとゲームに熱中していだけの寺井だか、その部屋には戦闘員(プロフェッショナル)が押入れに隠れている。マサシか、その部下が攻め込んだら返り討ちにする。部下だけなら、拷問をし、マサシの居場所を吐かせるだけだ
〜マサシの視点〜
寺井に行動の先を読まれていた事に気付いたマサシは自分しか知らない隠れ家に身を潜めた。
ほとぼりが収まるまでは、外に出られない。現金は殺人ビジネスで得たカネ2億ある。、しばらくは引きこもりの生活をするマサシ。腹が減ったのでピザを注文した。
ピザが来るまで待ってる間、マサシはふと、武器の取引を持ち掛けてきたプレイヤーの存在を思い出していた。
たしかプレイヤーは 「被害者がいるから噂を調査してるのだよね」
「被害があるとしたら、警察に届けるはず。もしかして、やましいことがあるから、自分で調べてるの? たとえば魔法のマントを奪う闇ビジネスをしているとか?」と言っていた
そのプレイヤーは鋭い洞察力を持っていたが、よくよく考えてみれば、マサシがそのプレイヤーと「同じ立場」なら、同じような発言をしていたかもしれない。つまり、そのプレイヤーはマサシと同じく殺人ビジネスをしている同業者、どこかのヤクザ者なのかもしれない。そう思ったマサシは、そのプレイヤーがマサシと同じく多額のカネを貯めているのではないか、どうにかして奪う事はできないだろうか。と考えた。
マサシは思い出した 。そのプレイヤーは「ばらされたくなければ、武器などをよこせ」と、言っていた。 わざわざ武器を欲しかるくらいだから、暴力団としては小物かもしれない。
マサシは平井組の裏金で武器を買っている。沢山あるから1つや2つ失っても構わない。武器の取引を口実にそのプレイヤーを捕まえて財産を没収しよう。カネには困ってないが、丁度いい退屈しのぎになりそうだ。
マサシは犯罪の妄想をワクワクしながら頭でイメージしていたが、その計画はマサシ1人では実行不能なものだった。
マサシが今使う事のできる兵隊はいない。寺井に皆捕まりマサシいま独りぼっちである
組からくすねた麻薬を使い、堕落した生活をするマサシは
ふと魔が差してVRにログインした。薬物の影響で正常な思考でなくなっていたマサシは、噂話【政府による人口削減政策】を忘れていた。
マサシはVRの経験が少ない初心者だった。麻薬で思考がまわらず開始直後、モンスターに殺されてしまった。その瞬間、マサシの脳裏に閃光が走った。まるで囚人か電気椅子に座り、処刑されているかのような格好で、マサシは絶命した。
ヘルメットデバイスは煙をあげながら、信号を飛ばしていた……
深夜
信号を受け取ったのは、水道工事の業者、作業着を来た男たちだった。
男達は武装して貨物トラックに乗り込んで走り出した。程なくして、マサシ潜伏しているアジトにたどり着く。
周囲に人気のない山の中にある別荘が、マサシのアジトだった。トラックから降りた男達、荷台貨物の中から暗視ゴーグルをつけた男達も降りてくる。男達は警戒していて、見張り役と別荘を取り囲む役に二手に別れる。暗視ゴーグルだから暗闇でも機敏に動いている。別荘内に生存者が居ない事を確認し、ゴーグルを脱ぎ、玄関の鍵をキーピックで解除して入った
「お、これはカネか? 一億、いや二億はあるぞ!」
「そうか! やったな、みんなで山分けしようぜ」
「今日は簡単な仕事が多くてラッキーって思ったけど、まさかこんなサプライズを用意されてるなんてな、神様に感謝!」
男達はカネと死体を袋に詰め込み、トラックに載せた。死体の証拠が残らないように徹底的に掃除していた。キーピックの痕跡が残らないようにドアノブは新品に交換した。
【後書き】
〜ピザ屋の視点〜
その日は、いいつもの常連さんからピザの宅配の注文を受けていた。人気のない山の中で30分はかかる距離で、バイクを走らせていた道中トラックが山中を登っていった。普段は車の通りのない道であり、珍しい光景にて覚えていました。届け先に行くと、作業着を着た人が6人ほど居て
「いま、水道管が破裂して工事をしているんですよ、中は水浸しで、だから入らないでもらえますか」
と言われました、いつもごひきいに、して頂いてるお客様のお顔ですし、言葉ですし、忘れはしません。
なのにこの日以降、この方からの注文が一切なくなりました。残念です。ウチのVIPとして月間売上の客一位でしたのに……
どこに行ってしまわるたのかは分かりませんが、また戻っていらした際には、是非また当店をご利用くださいませ。従業員皆、貴方様から注文が来る日をいつかいつか、と待ちわびています
------------------------- 第20部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ダイ・ハード
【本文】
寺井の家は狭い。寺井がゲームにカネを惜しみなく使うから質素な部屋を借りてる。組を纏める頭にしては質素に過ぎるが、だからそ世間的に怪しく見えないのだろう。寺井が平井組の頭に選ばれた理由について、今更ながら実感した寺井。
ともかく、ここでマサシの兵隊を拷問する訳にもいかない。拷問部屋は平井組の地下にあり、防音システムが完璧である、そこに連れていく。
マサシの部下を拷問してマサシの居場所を聞き出そうとする。
しかし吐かない。
「かしら! こんなものが事務所のデスクから……」
マサシは逃げる前に動画を撮影していて、デスクの引き出しに入れていた。
動画にはマサシが万札の海で泳いでいる姿があり、誰にもバレない秘密のアジトの存在を語っていた。
マサシはどこにいるのか、
寺井は一月後、VRにログインしてわかった。
マサシからのメッセージが届いていた。内容はデタラメであり、意味が成立しない文章だった。恐らく薬物でラリった状態で送ったのだと思われた。
寺井はメッセージのデータを解析するためにメーカー側に交渉した。平井組の総力をあげて脅した。
作品名:ヤクザ、VRゲームにハマる! 作家名:西中