悩める熟年世代、VRゲームにハマる!
清一は涙を流しながら、笑っていた。
------------------------- 第49部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
自衛隊の視点
【本文】
自衛員の多くもまた人工知能の反乱が起こってから対策を迫られた。世界が核兵器で脅されてる等、突然のSF的話聞かされても、納得できない隊員が殆どであった。
現場で実際に狂人を見たり、病院がパニックしている光景を見るまでは、上層部の言葉を信用できず、災害対策が遅れた。
またまた休暇でネットカフェに来た隊員向井は間一髪、洗脳を避けられた。しかし、ネットカフェは既に狂人化した者ばかりで……。
ネットカフェはVRに繋げている者が多く、一斉に意識を乱して狂人化し、暴れだした。
洗脳を受けた者同士は、はじめは互いを区別できず、殺し合いに発展した。しかし、互いに躊躇なく人を襲う姿を見合うとき、なんとなく同類意識を感じて共闘していく。
休暇をとっていた向井に対して意識を向けた狂人たちは一斉に向井に襲いかかる。
向井は走る……
------------------------- 第50部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
清十郎視点
【本文】
清十郎はパーティー会場に設置されたテレビから状況を確認していた。
ゲームの中では、このVIP惑星の空間だけが高度なセキュリティが設定されていて、人工知能の洗脳の影響を受けなかったそうで
清十郎は、息子が気になった
現実世界は殺し合いでパニックしていてテレビの中から悲鳴が聞こえる
ログアウトして直ぐに戸締りを確認しないといけない。清一は、まさかゲームにログインしていないよな
ここからゲームが再開した。事件のさなか、ゲームシステムは、【清十郎が息子対して罪の意識を感じた事から、それを晴らす為のストーリーを組み込んだ】
息子に殺される体験をさせて、息子への罪の意識を軽くするというホラー的演出であった。
つまり清十郎は、パーティー会場に来る前、息子を差し置いてゲームをする行為に、自責の念を感じていて、潜在意識はその不を解消させたいと願っていた。また事件をキッカケに、息子を必要に思う強い執着心から自己犠牲精神が芽生え、それを人としては不幸であるとシステムが判断した。息子に失望するストーリーを用意し、罪悪感を抱かなくていいように、心身のバランスをとれる様に配慮されたシナリオになった。だから、清十郎はもう一度、このタイミングからゲームを再開できる。
ログイン画面でナビゲーションシステムが、そのように状況を説明してくれている
「今ゲームしてる場合じゃないから!」
直ぐに家に帰って戸締りを確認しないといけない。
清十郎は清一がVRに接続していなことを願った。
今、清十郎は自宅にいない。息子にゲームをしている事がバレない様に普段はネットカフェの個室からアクセスしていたからである。
清十郎がヘルメット端末をとり、立ち上がったとき、視界は殺し合う人々の光景で満たされていた。
総勢500人はいるネットカフェで清十郎は殺戮の人混みを恐る恐る抜けていく。
清十郎がネットカフェの入口を見るとがら空きだった。
運が良かったのか清十郎は殺し合いに巻き込まれずに、無事にネットカフェを脱出した。
自宅に電話をかけるか応答がない。
世界中がパニックして回線が混雑していてて電話は使えない
清十郎は車に乗り込み自宅に向かった
------------------------- 第51部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
清一の視点
【本文】
》清一視点《
清一は自宅で目を覚ました。
先程までパーティー会場にいた清一。清一はバトルロイヤルで藤井に果敢に挑んで敗北したものの、数少ないソロプレイヤーとして目立ち、VIPの興味を引き招待されていた。洗脳事件に巻き込まれることなくログアウトして、家の窓やドアに鍵をかけ、窓から街の様子を見ていた
「キィーーー!」
「助けてくれーーー!」
外では人が人を襲ったり、殺し合いをしている
清一はカーテンの隙間から、震えながら見ていた。
ガシャン!
窓ガラスが割れる音
誰がが家に入ってくる、
父親ではない。
狂人と化した人間が家の中を荒らし回っている。
階段をドタドタ駆け上がる音が聞こえ
鍵の掛かったドアノブをガチャガチャされる
「ころしていいですかー」
男の抑揚のない声が清一を凍りつかせた
「返事がないということは、いいんですねー」
男はドタドタと階段を降りていき
物置小屋に置いてあるハシゴを屋根にかけ、駆け上がる
清一の部屋の窓ガラスを割り、入ってきた。
清一は部屋から出ようとするが、ドアを開けられない。もう一人の狂人が部屋の前でドアノブを引っ張ってくるからである。
部屋に入ってきた男は包丁を持っている
包丁よりはマシ。清一は男から逃げるためドアを開けさせ、狂人に体当たりした。
狂人はドアの前に2人いて、更に階段にもう一人いた。全員がナイフやバットやロープ等の凶器を持っている
清一は捕まり、首を絞められる
狂人たちは、清一があの世に逝きそうで、逝かない苦悶の表情を見て楽しでいるようで、いつでも殺せる安心感に酔いしれている
清一は眼は充血し、ヴッヴッと、声にならない声漏らす
清一は何度も意識を喪失しては、目を覚まし、生き地獄を繰り返された……。
------------------------- 第52部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
清十郎と犯人達
【本文】
清十郎は、街のパニックを見て悲観した。人の死体、内蔵やらが散乱してる道路、逃げ惑う人々に鳴り止まない救急車のサイレン、パトカーが行き交う。
電車が脱線してビル突っ込んでいて、道を塞いでる。レスキュー隊員は渋滞で車が混雑していて動けない。
清十郎の車も道の真ん中で止まってしまった。
電話を自宅に掛け続けているが、回線が込み合い繋がらない
清十郎は、車の荷台からゴルフクラブを取り出して、走った。
街中に暴徒化した狂人たちがバイクに乗り、店を襲撃している。
家々は放火され、泣きわめく人達を容赦なく追いかけ回している。女や子供も関係ないく、慈悲の欠片もなく、日本刀で突き刺している
自宅の前まできて、直ぐそばの道に死体が転がっているのを見た。それが清一の死体でないことを願いながら清十郎は玄関前に立つ。
清十郎は車に積んでいたゴルフクラブを武器にしている。相手が日本刀ならまだしも、拳銃等の武器を持っていたら……
清十郎に考えてる暇は無かった。街の有り様を見るに清一に危険が迫ってるかもしれない。
清十郎は何も考えずに、とにかく自宅の鍵を開けた。
玄関先の前で人の気配を感じた。奥から複数の男女がケラケラと笑い合う声が聞こえる。気付かれない様にゆっくりと玄関のドアしめた。声のする部屋、リビングの手前までゆっくり足音を消して近づき、部屋を覗く
作品名:悩める熟年世代、VRゲームにハマる! 作家名:西中