悩める熟年世代、VRゲームにハマる!
魔法図書に魔法武具の製作手伝いバイトをしに行くと
人だかりができていた
清十郎の姿を見つけた
そういえば清十郎というプレイヤーは初心者だったな。今や知らない人はいないから、こうして人気になっているのか…
ファンa「じゃあ、清十郎さんは引きこもりの子を探す為にゲームをやり始めたんですか」
ファンb「でも、そのおかげてトーナメント入りして1億の賞金勝ち取ったんだから、やって良かったですよね、ほんと」
ファンc「賞金はチーム全員と分け合って手元には、2000万位あると噂に聞きました。何に使うつもりなんですか?」
ファンa「そんなの子供の為に使うに決まってるじゃない。将来の為に貯金して終わりよ」
ファンc「えー! そうなの? 折角だから使えばいいのに。貯金したら、余計、引きこもりから出られなくなるかも、なのに」
》清十郎視点《
安易にファンと雑談してしまったが、どうやって、縁を切ればいいのだろうか、
そういえば、さっちゃん(西中の娘)は親をブロック登録して逃げたらしい。
清十郎はファン達のアカウントをブロック指定し、ログアウトした。
ー吉井清一視点ー
ファンa「ちょっと何あいつ、あいさつもろくにしないでブロックとか、ありえないんですけど」
ファンb「私らなんも悪いこと、してないよね? なんで虫けらみたいに扱われんと、いけんの?」
ファンc「もしかしてオカネの話したから、金目あてだと思ったとか? だとしたら心が狭いねー」
ファンa「折角こっちも、引きこもりの子を探そうって気持ちになってたのに、なんかどうでも、良くなってきた」
ファンb「あんなんだから子供、引きこもったんじゃね? マイペースを押し切る態度とか、空気読めない感じするし」
ファンc「親があんなんだったら、確かにウザイかも。忍耐がないし、我慢したりできないなら、最初から関わらんで欲しかった」
ファンa「だよね! そう考えたら息子さんが不憫に思えてきた。何歳か知らんけど若い子だったら、慰めてあげたいな♥
ファンb「モテキャラが引きこもるわけないでしょ。BL漫画の読み過ぎ(笑)」
------------------------- 第43部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
あるゴーストの視点
【本文】
住処に、とんでもないヤバイ奴が現れた!
火炎が物凄く怖い!
怖すぎるから、俺たち
みんな、逃げた。逃げまくった。
あの広場は普段人間が集まってるから近づかないのだけど、今日は流石に火の海でヤバイから、皆で避難して、皆で空に逃げようって思ってた。
ソイツのどこがヤバイ奴かというと
そいつは火炎で自分の同類を殺してまわったあげく、俺たちに話しかけてきたこと
なんかよう分からんけど、そいつ、俺らの事を仲間に引き入れようとしてて、しつこく話しかけてくる。怖いから逃げたかったけど、逃げたら俺らも燃やされる気がして、怖いから従おうか、どうしようか相談してたら、どっかに行っちまった。
やれやれ助かった。
皆、一安心だよ
ただ、正直俺は、あいつ、そんな悪い奴とも思えなかったんだよな
寂しそうな心の形だったし
結局、アイツは邪魔な人間を殺してくれたしな…
俺、別に、あいつのこと
仲間にしても
良いかも
------------------------- 第44部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
あるドラゴンの視点
【本文】
どうわけだか、しんねーけど人間と言葉が通じます。この人一体なんなのか?
ドラゴンな俺を人間だと勘違いしてるし、人間の方をモンスターだと勘違いしている。それを指摘しても、全く理解してくれない。
そいつは友達になって欲しいらしい、一緒にモンスター狩り(人間狩り)をして遊びたいのだとか
しかし、人間強いから俺的には隠れていたいの。
だから、ほんまに勘弁してくれ
え?
なにこれ? くれるの?
これは確か人間つけてたやつだ。
魔法のマント? 装備すりゃいんですかい?
ちっちゃいから、爪に巻き付けるね
な、な、な、な、ななな、な、な、な、ななな、な、な、な、ななな、な、な、な、なななにこれん
なにこれ? 何このスピード感! めっちゃいい、
超気持ちいい!
これだけ凄いと、俺、人間様に勝てるんじゃねえの?
よし、いっちょやったるで!
母さん殺された恨み、晴らしたるで!
待っとけ、人間ども!
------------------------- 第45部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ドラゴン視点の次のなはし
【本文】
ある時を堺に、ログインしても10分でログアウトしてしまうゲームなった。
清十郎は仕事で忙しかったから、事情を知るのは後になるが、一部始終を見ていた目撃者の証言によると、「プレイヤーキラーが現れて、しかもそいつがドラゴンを従えているという。ドラゴンは魔法のマントを指先に6つ装備していて、破壊力が、とびきりすごいボスになってる。プレイヤーが1万人が束になっても全く歯がたたない。恐らく1000万人くらいのプレイヤーが力を合わせないと勝てないのじゃないかな。」
《清一視点》
それにしても、
ドラゴン使い魔ってなんなのだろうな?
俺は見たことないのだが、本 当 にいるの?、ログインして10分も持たないとか、それ初心者プレイヤーでしょ?
でもまあ、安心しなさい、新キャラが解禁されたら、初心者も気楽にプレイでき
るゲームバランスになるからね。
さて、今日も頑張ってバク探ししよう、
バク探しのついでにモンスター狩り
しようね? ちょっぴり大きな相棒さん!
------------------------- 第46部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ドラゴンの次の次のなはし
【本文】
《清十郎視点》
ある日、清十郎がログインしたとき、案内メッセージが画面に表示された。
《プレイヤーの方々、大変お待たせして申し訳ありません。システムのバグは復旧され、
ドラゴン使い魔なるイレギュラーなキャラクターは出現しなくなりました。皆様には大変な御迷惑をおかけ……》
清十郎はログインして直ぐ、息子のアカウント吉井清一が何処にいるか調べた。
ナビが表示される
《申し訳ありません、このプレイヤーは清十郎をブロックしているので、プレイヤー情報を見る事はできません》
ログインしているか、ログアウトしているかどうかも調べられない。ブロックされて初めてブロックの仕組みを理解した清十郎
(どういうことだろうか? )
首を傾げる清十郎。
(もしや、果たし状を断ったのが原因か?)
(もしやストーカーしてたのがバレたとか?)
(それは有りうる
ファンが後ろからぞろぞろ、ついてきて
たし、清一の相手をしないでファンの相手をしている訳だから、呆れられてしょうがない。
ごめんよー!、清一!!
《清一視点》
作品名:悩める熟年世代、VRゲームにハマる! 作家名:西中