悩める熟年世代、VRゲームにハマる!
まずゴーストがテレパシーを波動だと解釈するのが難しい。なのでゴースト一人でその力をコントロールするのは不可能に近い。
またプレイヤーがゲーム参加すると記憶喪失になるから、プレイヤーがゴーストにアドバイスするのも難しい。
クリアするには、屋敷外にて主(あるじ)に屋敷内で起きた手がかり(テレパシー波動)なりの疑問ぶつけて、主とのコミュニケーションを密にしていく必要ある。その際、主に推理力や思考力、会話力が足りないと、ゴーストの隠された能力である逆テレパシーの技術を引き出す事はできない。
幽霊屋敷はレベルの非常に高いイベントなので、攻略方法は口外されない傾向にある。
また逆テレパシーで+テレパシーをかき消せるということは、ゴーストの存在感をかき消せるという意味でもある。プレイヤーにゴーストの存在を気付かせることなく、心を盗聴できる。悪意を持つ者が、そんなゴーストを従えると、非常に都合の良い存在になり、だからこそ、攻略方法が口外されない傾向にある。
「なるほど。だから、ゴーストちゃんは、あんなことを聞いてきたのか」
竹内は小さく呟いた。ゴーストが寺井と安井の心を全く読めないのを気にして竹内に「ぷらいばしいいって何?」と質問してきたのだ。
竹内はシステム管理者でありゲームの仕組みは大よそ把握しているつもりでいた。しかし、細かい仕組みに関しては認識不足であり、ゲームを直接プレイして、学んでいる状態である。
竹内はゲーム中、幾つかの嘘をついていた。高校教師であること、ゲームを知らない初心であること、システム管理者の権限を使えば、清十郎達の探している息子達にも容易に出会わせる事ができること
竹内には、引きこもりの子供がいてゲームに現実逃避している。清十郎達と事情が違うのは、ゲーム内での息子の居場所が分かっている事であり、また、親子関係がどうにもならないと思い込んでいる。
竹内は息子に相手にされない欲求不満な日々を解消するべく、他人の引き篭り相談を受けて、偉そうに説教して欲求不満を解消している。清十郎が引き篭り相談所に来た際に、自分より偉そうな態度をしてくる清十郎に腹が立ち、ゲームの世界で先回りして待ち伏せしていた。
痛み止めアイテムを使い、ゴーストからの攻撃に痛い振りをして清十郎の同情を誘った。清十郎が、この痛いゲームから早々に逃げて貰っては仕返しにならないと思った竹内は、いろいろなヒントを出してる間、清十郎の偉そうな態度が変わってく姿を見てしまった。
普段ぶっきらぼうなキャラが、そうでない態度を突然すると、普段から性格が良い人と同じ位に良く見えるもので
竹内は清十郎と行動を共にする事で感情移入をしてしまい、前向きに冒険を楽しむ様になった。
竹内は清十郎と出会う前は、息子の引き篭りの事で悩んでいて、遊ぶ心の余裕がなかった。今は清十郎達とゲームをするのが楽しくて、ついつい今日も、上司の目を盗んで仕事の合間にログインしてしまっている。
そんな竹内も清十郎同様に多くを忘れてしまっている。宇宙人や政府の陰謀があったこと、清一を監視し清一の人脈を調査し、ヤクザから政府と戦う為の兵器を手に入れた事。それらに関連し、息子と清一が友達同士だった事、清一に息子が助けれた事等、多くの記憶を宇宙人らのハイテク技術で消されてしまった。
断片的に消されてチグハグとなった記憶は竹内自身想定しない価値観へと纏められたが、竹内自身、その事には気付いていない。それは竹内を取り巻く同僚や上司、息子も同じであった。宇宙人、及び政府の陰謀に関連した者達は皆、記憶を抹消され、別人の様に生活しているのだった…
------------------------- 第40部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
大会開催
【本文】
ー大会開始ー
プレイヤー同士の対戦会場は異次元世界の特別な都市にで開催される
格差社会とも言えるかもしれないが、普段は政財界のVIPプレイヤーだけが、入国を許可された惑星都市がある。
大会期間だけ、コロシアムが一般公開されて、金持ち共が特等席でゲームでの対戦を見る。
大会期間外で一般が入る場合は特別な入国審査が必要で、メーカー側が用意したシステム管理者(リドナー)の権限で脳内情報を読み取られ分析される。前科はあるのか、犯罪者予備なのかを心のレベルで審査され、基準を満たせないと、入国を却下される。
また入国しても常に脳内はリドナーに監視され続ける。
そんなVIPな街で、大会が1年に一度、行われる。賞金総額はなんと1000億を超える。
世界中から参加者が集まるこの大会に、なんやかんやと清十郎と竹内も参加を希望した。
「まさかこんなすごい大会とは思わなかったな」
清十郎は学生時代の剣道大会のようなものを想像していたが、完全に裏切られた。
大会種目はバトルロワイヤルで、一斉に乱戦なる戦争やって、生き残った者がトーナメントに出られる
寺井
「清十郎さん、バトルロワイヤルは何もしないのが重要です。剣道の様にその場からあまり動かず守りに徹して、反撃の、機会を伺うことです。」
清十郎は何となく分かった。
やられてないのにこっちから、攻撃を仕掛けるのは怨まれて喧嘩状態になり、周りのプレイヤーが見えにくくなる。
死角が増え、バッサリ後ろから殺られる。いわゆる戦国時代の戦(いくさ)と同じである。逃げたら弱いと判断され集中して襲われ、身ぐるみを剥がされてしまう。
寺井達から借りた装備を返す為にも無様に負ける訳にはいかない
清十郎には予め戦闘前に魔法をかけてステータスを向上させる。魔法に対するバリア、及び跳ね返す魔法をかける。テレポートでバリアの内側に侵入してくる敵、及び攻撃には、こちらもテレポートで対応して逃げる。
清十郎は反射神経特訓をしてないので、戦って勝つことは考えてない。バトルロワイヤルで生き残ってるだけで、賞金が手に入る制度なので、取り敢えず生き残りを頑張ってみる。
竹内も安井も清十郎と同じで特訓した訳ではないので、似たような戦術になる。安井に関しては青魔道士の能力「モンスターの技を吸収して覚える」が、あるので、要所でモンスターのワザを使う青魔道士の攻撃を受けに行くのがお得だ。
他、寺井とナギ、スルメイカの池内とは同盟を組み協力しあう。
基本は皆で、ゴーストの近くで待機する戦術である。ゴーストが10秒先の未来を予言してメンバーに伝えるのだ。
このバトルロワイヤルでは、
リングが内側に収縮して時間と共に逃げ場がなくなる。
戦闘開始前に前回の優勝者へのインタビューがある
司会者がインタビューした
「いやはや、前回の戦いは華麗な突きが栄えましたけど、今回も見せていただけるのでしょうか、藤井選手」
藤井という選手について、思い出すことがある
竹内
「さっちゃんが教えてくれたアカウントの人だ」
そう、あのホスト大好きさっちゃんが教えてくれた人だ。
さっちゃんが今どうしてるか、少しだけ販売サイトを見てみた。
作品名:悩める熟年世代、VRゲームにハマる! 作家名:西中