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悩める熟年世代、VRゲームにハマる!

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ここで支払われたカネはNPC達の経済活動に影響を与える。例えばNPCが独自に武器や防具を作り商売したりするし、資金が潤沢にあれば安く商売したりもする。、プレイヤー達が投資した分の見返り分、街が発展していく仕組みになっている。



清十郎達は、とりあえず、さっちゃん(愛称ネーム)の場所まで連れて行って貰うことにした。

途中、一台の車が猛スピードで追い越していき、クラッシュした。初心者プレイヤーが運転したのだろうか、車はカーブを曲がりきれずコースアウトして谷に落ちて……。その後、その車は何かに引っ張られる様に空を飛んで元の道(コース)に戻って走り出した

その車は猛スピードでこちらに向って来て、清十郎の車の横につけた。通信でのメッセージが入って来た。
「やあ、俺は向井っつうんだけど、やることなくて暇で車でぶっ飛ばしてたの。みなさん、今からどこ行くの? 良かったら俺もついてっていい?」

清十郎は、暇だから付き合えタイプは苦手である。悪気は無いのだろうし、明るく気さくで、断わり易い空気をかもしてるつもりなのだろう。でも、だらこそ断りづらくもある。断るとこっちが悪いみたいで、後で嫌な気分になる。そもそも暇なのは、その人の問題であり、誰かでその暇を埋めようとか考えるのは失礼なのではないか。暇でなかったら知り合うことさえしない筈であり、忙しくしてたら相手の事を見向きもしない筈であり、素通りしてもいいと存在だと認識している。性格が厚かましいのである。


竹内「ごめんなさい。わたし達これから人に会いに行く予定なの。知らない人がいると、きっと困惑すると思うから」

竹内もこのタイプは苦手だった。明るいだけで空気が読めないのを混同してしまったキャラは、芸人だけが許されるものである。芸人を真似して利用するならライセンスを支払ってからが筋である、と竹内は思った。



向井
「えー、そんなら、その人に連絡とってみようよ。もしかしたら、俺の知り合いかもだし、友達の友達なら、俺も友達でしょー?」

安井
「悪いけど消えてくれる? 視界から消えてくれる?」

安井は気が強い性格をしていた。

向井
「なんだよ、ちょっと遊ぼうって声掛けただけだろうがよ、お互い暇なら気持ちマッチしていいじゃないかよ」

安井
「たとえ暇だとしても、アンタの様なとは遊びたくない」

向井
「なんだよそれ! 初対面でそれはヒド過ぎるだろ!」

向井は明らかに怒ってる。このままズルズル喧嘩が始まってしまうのだろうか




向井
「なんだよ、みんなしてシカトかよ、お葬式じゃないんだからさ、もっと明るくしようよ。ほら、あの遠くに見える山って凄くデカくて富士山の何万倍くらい、あるんだろうな……」




「去れ」

安井が切れた。
「いいから、早く去れ!、去れって言ってんだろ! 」

向井
「ちょ、いきなり何そんなにマジで怒ってんのさ、重い空気だから、盛り上げようと沢山、喋ってるだけなのに…」

向井の言葉に正論が入ってるだけに反論できない。安井は何かを言いたげだが、何も言わなかった。

安井が何も言わないので、向井は暇になる。
その間に向井は安井のプロフィールを見た様で……


向井
「何このブロフ(笑)金持ちの御婦人が、引きこもりの息子を探してるってwww」



安井は立ち上がると運転席に移動した。自動運転を解除してアクセル全開で向井の車に突っ込んだ

向井
「テメー! イキナリどういうつもりだ!」

安井
「ヒマなんでしょ? 遊んであげるよ?」


向井が追いかけ安井が逃げるカーチェイスが始まった。街を駆け抜ける2人。

歩いてる人にぶつかりそうになるが……

どうやら車に乗ると街中を歩く人(アンドロイド含め)の体は通り抜けるらしく、事故にはならないみたい。なので、構わずカーチェイスする2人

向井
「まて! コノヤロ! 俺に一言あやまれ!」

安井
「先に喧嘩を仕掛けてきたのは、お前だからな! お前がまず謝れ!」

向井
「何のことだか、さっぱり、わからん!お前、頭痛過ぎるだろ!」

安井の向井のハートビートに火がついた。
デッドヒートを繰り広げながら、目的地さっちゃんの居場所に、たどり着いた。

さっちゃんは沢山ある工場の1つ、その中に居るようで

清十郎達は工場の中をこっそり観察した


向井
「なんなんだよ、おまえら! そばに居るオレの存在とか、とことん無視かよ!」








【後書き】
あとがき

〜向井データ〜
職業軍人
軍人は弾薬等を扱える武器を豊富使いこなし、ヘリコプターや戦車等も装備できる。戦争関連のサバイバルイベントでは仲間に加えておきたい職業らしい

------------------------- 第35部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
西中さんの娘さん

【本文】
 工場の入り口で

 こっそり遠目から西中の娘さんを見る清十郎たち

 娘さんは男達に囲まれてチヤホヤされていた。

 甘く囁く男a「ねえ、さっちゃん、また綺麗な景色の見えるホテル行こうか」


 甘く囁く男b「僕とも行こうよ。僕が愛してるのは君だけなんだからさ」

 弄べそうな男c「ずるいよ、みんな勝手に抜けがけしてさ、さっちゃん! そんなのより、僕の手料理を食べに家においでよ」


 どうやら、さっちゃん(西中さんの娘さん)は、アンドロイドの男をはべらせて楽しんでいるみたい。
 自分の意のままに操れるキャラを作り趣味の世界にドップリ浸っているみたい。

(さながらリアルダッチワイフ、あるいはリアルリアルドールだ。清十郎も若い頃にお世話になった)


『さっちゃん リアルダッチワイフ リアルリアルドール 』 でネット検索をしたら、販売サイトが出てきた。そこには宣伝文句として

 現役小学生監修、仮想現実愛玩ロボット
「貴方を一途に愛すホストキャラ 1つ500円」

 清十郎はともかく、竹内と安井の目は輝いていた。

 安井「わたしは、あの黒髪少年の柳葉君欲しい」

 竹内「わたしは金髪セクシーボイスの長谷川君がいいわ!」

 安井と竹内は販売サイトから、購入の手続きを済ませた。さっちゃんの財布に1000円が入金された。

 入金されて間もなく、安井と竹内にメッセージが届いた。内容はアイテムの受け渡し場所についてで、直接工場に取りに来る場合は即納入できるのだそう。

 ちょうどすぐ目の前が、さっちゃんの工場らしい。竹内と安井は駆けていった。

「さっちゃんさん、先ほど購入した安井です。」「わたしも、今早速買った竹内です」


「わあ、びっくりしたー」
 イキナリ話しかけられ困惑気味のさっちゃん、だが直ぐ笑顔になり「わあ、こんなに早く取りに来てくれるなんて、今までのお客さんで最速記録更新ですよ!」

 さっちゃんは業界では結構名が知れた職人さんで、これまでに1000人のホストドールを作って販売してきた。小学生ならではの視点がマニアに受けて、3ヶ月程前にこの工場をファンから譲り受け、本格的に製作販売を始めたという。