悩める熟年世代、VRゲームにハマる!
鬼も気味悪がって、近づかない。
しかし
頭の悪い鬼が、「てやんでい!」なノリで偉そう風をふかしてきた。
清十郎と1000人皆で鬼をタコ殴りした。鬼の角ツノが取れた。
1000人の誰かがいった。「この鬼、食料品ということで、持ち帰ったら民(たみ)に喜ばれるんじゃない?」
「いいね!」清十郎が言うと、
「じゃあ清十郎さんお願いね」と誰かが言った。
清十郎はカチンときたが、全裸だし、仕事あるし、時間もないし、考える暇がない。とりあえず鬼を持って帰ってみる。しかし、鬼は、めちゃめちゃ重い。100kgはあるかもしれない。
鬼のツノが落ちてるので、それを使ってバラバラにできるか試してみる。頭、胴体、右脚、左足、腕
8等分して、頭を持った清十郎は、来た道を、帰った。北に進んでる
しばらく
清十郎の後に誰も続かなかったが、
清十郎がツノという武器を持っていた為か、次第に清十郎の後ろに人が続くようになり、
また1000人の行列になった。
清十郎が鬼のクビを晒してる姿を他の鬼が目撃する。
鬼のメンツが潰されたと思い襲ってくるかとおもいきや、死んだ鬼は自業自得だと思われて、鬼は何もしてこなかった。
鬼肉は物凄く不味くて、不評だった。
骨折り損だ。清十郎は今度は北に行ってみる。
行列は途絶えないどこころか、増えてる。
他のプレイヤーが面白がって行列に加わった。行列の存在が不思議がられ、SNSにも書き込まれ
清十郎がゲームを開始して1時間程で行列が2000人を超えた。行列はこの後もどんどん増えてき、20分経つと5000人に増え、もう20分経つと1万人になり、とうとう清十郎はログアウトできない雰囲気に病まれて走りだした。
どこまで走っても追いかけてくる行列。清十郎が生み出してしまった行列は目立ち、更にSNS等で話題となり、このゲームから卒業した飽き組まで興味を持ち行列巻き込んだ。
行列が10万人を超えた。
この行列で鬼退治すれば無敵である。
鬼虐殺の無双ゲームが始まった。なぜ今まで誰も鬼虐殺をやらなかったのか分からないが、行列が100万人を超える頃には清十郎は既にログアウトした後だった。
翌日、ゲームのニュースサイトに、行列に関する記事が掲載されていた。あるプレイヤーをきっかけとして生まれた大行列はゲームサーバーに高い負荷がかかった。それによりバグが発生し、鬼と人間の立場が逆転するエラーが発生した。。プレイヤーがログインすると、鬼のキャラで始まり、他のプレイヤーから命を狙われる。鬼は会話ができないから、一方的にプレイヤーに攻撃される。鬼キャラにはログアウトボタンがなくて、一旦鬼になると死ぬまでゲームから出られない。ログインしたら、死ぬ程の痛い思いをさせられた被害者は1万人にもなり、ゲーム会社は多額の損害賠償が発生して、経営危機に陥った。近いうちに倒産する予定であり、設備等人材は大手のVRゲーム会社が買収することになった。
というものであったが、清十郎は仕事が忙しくて、その記事に気付くことはなかった。後日、清十郎の元にサービス終了のお知らせが届いた。
買ったばかりなのに
なんでやーーー!
------------------------- 第31部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ドラゴン退治からゲームが再開される
【本文】
息子の引きこもりを解決の為に始めたゲームだが、再ログインするともう一度新しいストーリーが始まるそうで、今度こそ本当の息子に出会える可能性があるそう。
清十郎がゲーム内で実際に出会っていたプレイヤーは竹内と他、街で出会った複数の人物だった。 竹内と街で出会った複数の人物との会話や経験は失っていない。再ログインすると引き継げる。よって、竹内とは1から知り合う必要は無い。竹内は魔法図書館にて、清十郎の帰りを待っている状態である。
ログイン後、ドラゴン退治のイベントが始まる。ドラゴン退治ではメンバーは裏切ってくるか否かは清十郎の潜在意識次第である。
清十郎は息子に対して【実は正義感溢れる存在であってほしい】願望があったから、ストーリーがそうなるように、プログラム修正されたのである。同じような願望を清十郎が持ちつづけるなら、今後も同じようなストーリー展開になるかもしれない。
「なるほど」
ログイン直後、
ナビゲーションシステムが清十郎にそう教えてくれた。
清十郎は気を取り直し、ドラゴン退治に出かけた。
「ドラゴン退治は魔法のマントが必須だけと、ちゃんと装備してるよね?」
清十郎は、息子の手掛かりを一緒に探してもらうことを条件に、魔法武具の成長をお手伝いするためドラゴン退治(魔力の回収)に向かう最中だった。
前回は痛み止めアイテムを使い、ドラゴン退治に向かう道中、メンバーに裏切られてボコボコにされ魔法のマントをはぎ取られた。そこに息子(清十郎の願望が生み出した)が現れて助けてくれた。
「じゃあ、このアイテムたちを装備して」
清十郎は前回とは違うプレイヤーの光景に、困惑するものの、言われるがまま従っていた。
「このアイテムは魔法マントの力を引き出してパワーアップさせる。他のアイテムは耐久性の高い武器防具だから、これでいくよ」
前回はこのような会話は無かった。新鮮である。ところで
「魔法は使わないのかな?」
「このゲームはモンスター相手に魔法つかっても、殆ど効果がない。プレイヤーを支援する魔法は効果あるけど、」
ネットを調べると、確かにそのような説明が書いてある。このプレイヤーは嘘をついてない。
清十郎は試してみた。このプレイヤーの人柄について調べたい。
「せんせー! じゃあ、何の為に攻撃魔法があるんですか?」
先生と呼ぶとプレイヤーは頬を染めて照れた。照れながらも、教えてくれた。
「対人戦で威力を発揮します。」
「たいじん? せんせー!それどう言う意味ですか?」
清十郎は初心者になりきっている。プレイヤーは、面倒がることも、嫌がることもなく、語り始めた。
「魔法のマントを使わないでプレイヤー同士でバトルしたり、バトルロイヤルでも魔法の真価が発揮される……」
既に清十郎も知っている内容を語ってくれる照れるプレイヤー、そこに被さるようにメンバーの一人が
「お嬢様! あまり説明に時間を費やしては宿題をなさる時間が……」
お嬢様? どこかの姫様的な設定なのか? もしかしてプレイヤーではなく、ゲームのプログラムが生み出した擬人かもしれない。
確認する方法は……
わからない。
これ以上、考えていても仕方がないので先に進もう。
「ありがとうございます。あとは自分で調べるので大丈夫です。では、皆さん行きましょう」
ドラゴンは第5銀河の辺境惑星に生息している。
メンバーに魔法使いがいて、みんなをテレポートでその惑星に飛ばした。
ドラゴンが生息する土地は空が赤色でマグマや火山活動が活発だ。
メンバーは手分けしてドラゴンを探す。
マントで空を飛びながら探す。
道中、プレイヤー同士のオンライン通信で軽い自己紹介が行われた。
作品名:悩める熟年世代、VRゲームにハマる! 作家名:西中