手作りの。。。
「本当に…作ってきてくれたんですねぇ」
いつもの公園の、藤蔓の木陰の木のベンチ。
葉月さんは、隣りに座った真一君が 手提げ袋から出した弁当を受けります。
「まあ、容器がタッパと言うのが あれですが」
「探したけど、弁当箱なんて洒落たものは見つからなかったし」
「では、頂きますね♫」
いそいそと おかずの容器の蓋を開く葉月さん。
「これって、もしかして──」
「マルシンのハンバーグ」
「その横の黄色い塊は 玉子焼き…で、その隣は……」
「イシイのミートボール」
「─ あとは、切込みを入れて焼いただけのウインナーですかぁ」
顔を上げた葉月さんと、真一君の視線が合います。
「何か言いたそうだね」
「別に、如何にも小学男子が喜びそうな、遠足のお弁当みたいだなんて 思ってないですよ?」
「うん。口にしてるから」
ニヤニヤ顔の葉月さんから、目をそらす真一君。
「僕のお弁当のイメージはこうなんだから、仕方ないだろ」
「─ では、いただきますね♡」