引き篭りニートの親、VRゲームにハマる
マントのチカラと比較すると地味であるし、マントがある限り戦いでは使わないだろう
「街の外で叫んでください。図書館では静かにしてください」
職員に叱られた清十郎
竹内さんは書物を数えてて、
「魔法の棚、ざっと6000冊です。1冊あたり50の魔法が書かれたとして、30万種類ありますね」
この世界では自由に魔法が作れるらしいから、これだけ増えたのかもしれないな
清十郎があれこれ考えていると、青年に声をかけられた
「君たちだよね? 手伝ってくれるのは?」
何故わかったのだろう?
青年「君たちにナビゲーション案内があるように、雇用主である僕らにもナビゲーションがあって、君たちのプロフィールと居場所を教えてくれるんだ」
清十郎と竹内の前に数人の関係者がいるようで、彼らにテーブルへと誘導される。
テーブルには武具と剣がおいてある。
その2つから霧状のオーラが伸びている。
オーラは関係者たちの手の平まで伸びていて
「武具と剣に手かざして祈ると魔法エネルギーが注入されるんだよ」
つまりMPを消費して、武具を成長させるそうで、プレイヤー一人のMPでは足りないから、他のプレイヤーに助けて貰う必要があったそう
「この武具特製はステルス機能があり、意のままに装備者を透明化できるのだけど、一定量の魔力が必要なんだ。誰かの魔力でもいいし、モンスターから奪い取った魔力でもいい。手を貸してくれたら6000ギニを支払うよ。」
◆
清十郎は説明した。オカネはいいから、引きこもりの息子を探したい。それを手伝って欲しい。無理なら誰か困っている人を教えて欲しい。その人と人脈を作り、いずれ芋ずる式に息子にたどり着ける
「そうでしたか、そういうとでしたら、」
青年はしばらく考え込み、答えた。
「頭の隅に留めておくことくらいはできるでしょう。こちらもゲーマーの中に引きこもりがいるかどうか、意識して見てみます。引きこもりの情報を得たら、清十郎さんに、送りますので、それを手伝いの報酬として扱って宜しいですか?」
清十郎達は納得した。
「手っ取り早く魔力を集めるにはドラゴンから抽出するのが、いいのですが、戦闘に参加はされますか?」
清十郎ではレベルが低いのではないか?聞いてみると
「この世界にレベルの概念はないので、それなりの装備をつければ、やっていけます。勿論マントの装備は必須です」
マントだけでは勝てないのか? あれだけの破壊力なのに、
「マントのパワーはドラゴン系の相手には有効じゃないんです。他の動物には有効なのですが」
モンスターの属性が、いわゆる魔法属性があると、とにかく固いのだそう。
「マントがなくては即死ですよ」
竹内さんは怖がり始めた。たしかに痛みを直接受けるこの世界の闘いは、清十郎自身も遠慮したいものだった。
「こういうアイテムがありますよ?」
これは?
「痛み止めです。痛さを軽減する魔法もあります」
知らなかった。
清十郎はネットでろいろ知識を得ていたが、このゲームの世界について、まだまだ無知であった
「どうですか? 痛み止めは差し上げます。装備もひと通り貸しますよ」
清十郎は竹内さんと相談した。マントは1つしかないので、ひとり居残りになる。
竹内「居残っていたいです。ここにある魔法書物を研究してみたいですし。」
清十郎はここのメンバーと共にドラゴン退治で火山へ、一方竹内さんは、居残りで勉強を開始した。
◆
まえがき、
本編にあまり関わらない話、読み飛ばしていい
竹内は清十郎達を見送り魔法書物を研究していた。
館内には魔法を実験、テストできる専用の部屋があり、幾つかの書物持ち込んだ竹内は、さっそく魔法を使ってみた。
「ファイアー!」
活き良く書物が燃えたが、しばらくして書物は再生された。MPは5%程削られた。 素手よりは威力はあるだろうが マントのチカラと比較すると地味であるし、マントがある限り戦いでは使わないだろう
実験室では擬似モンスターと戦える装置が置いてある。
擬似モンスターは基本能力は実際のモンスターと同じであるが、攻撃力が0に設定できる。ダメージを受けなくて済むから、初心者の多くはここで練習をする。
練習の主な理由になるのがプレイヤーとの対戦である。モンスターとの闘いではマントを装備しての物理攻撃が主体となるので、攻撃魔法は使わない。
攻撃魔法は10000種類程あるが、元は50種類程度だった。魔法教本入門には、魔法名を唱えるだけで手軽に使える技「ファイヤー」が記載されているが、火を生み出す原理そのものを理解し、魔力を使えば結果的に火を生み出すことができる。
たとえば原始的な火起こしの原理は摩擦であり、魔力で空間に摩擦のエネルギーを加えると空気中の酸素Oと結びつき着火の第一条件になる。
一般的に火起こしに使う着火剤は、枯れ葉など、炭素を多く含む植物である。炭素が燃えると、空気中の酸素と結びつき、二酸化炭素CO2に変換される。CO2は空気より重く、下に向かう力が働くのでその分、周囲の空気(火種になる酸素)を上に押し上げる。上に向かう酸素の流れに合わせて着火点も上にずらせていけば、 火種を維持できる。ことになり第二条件が完成したことになる。火種を維持してる場所が燃えやすいものがあるなら、自然発火した様になる。燃えやすいものがないなら、火種になる様なモノを仕込んだりする。
例えば粉塵爆発にみられるような粉類を使ったり、ガス袋を投げつけてみたり
それらは一見魔法的ではないものの、透明処理を施したりの加工すれば魔法ぽく見える。魔法らしさを求めないのであれば、MP節約に繋がり、対人戦等では有利に働く
尚、分子を選別し制御できる魔法を覚えたら、周囲の酸素を集めて圧縮して火種として使うのが効率的に燃焼できる。
竹内
「練習すれば、冷気の魔法アイス!と言って嘘をつきながら、ファイヤーを放つこともできるのか、」
◆
ドラゴン狩りに出かけた清十郎一行。青年たちと
道すがら
歩いていると
青年たちが清十郎向き呪文を唱え始めた
清十郎の体が動かなくなる
青年たちは捕縛魔法を使ったから、清十郎はログアウトすることもできない
青年q「マサシさんの言うとおりだったな。初心者を捕まえるのちょろいな」
青年はマサシと通信している
青年a「早いとこマントを奪えそうだな 」
青年g「 そうだな、これで俺らも借金返せるせな 」
青年w「その前に、ちょっとボコって遊ぼうぜww
青年a「そうだな、せっかくだから、全身の骨、折りつくして見ようぜ
青年w「せっかくだから、織り鶴みたにできたらいいな(笑)」
マサシは青年たちの会話を聞きながら心の中で呟いた。「お前達が成功しようが失敗しようが、全員殺すのだがな。マントは全て俺の物だ。誰にもやらん」
作品名:引き篭りニートの親、VRゲームにハマる 作家名:西中