引き篭りニートの親、VRゲームにハマる
システム管理者はその権限でゲーム内に存在しない魔法が使える。テレパシー魔法を寺井とシステム管理者に使えば、互いの全ての心を一瞬で伝えられる。しかし、テレパシーなんていう大層な魔法を使えば
監視者にモロバレしてしまうのだろうから、できない。
システム管理者権限のテレパシー魔法でではなく、別の仕組みで再現されたテレパシーみたいな魔法があれば監視の目を欺けるのに……
竹内はどうにもならない悔しい思い。歯痒い思いをしながら、寺井と清一見つめていた。
清一
「ヤクザがこんなゲームにハマってるとか信じられない。指名手配されてるくせに、アルゼンチンでお絵描きしてるヤクザありえん(笑)」
寺井
「俺が指名手配じゃなかったら、アルゼンチンにいるわけないよ?
「じゃあ、寺井さんが本当に嘘言ってないか確認させてよ」
「確認? どうやって?」
「これからテレパシーの魔法を貴女と僕にかけるから
「テレパシー? そんな魔法このゲーム内にはないぞ?」
「僕が勝手に名づけたオリジナル魔法だから、知らなくても、あたりまえだよ、でさ心を見せてくれる?」
寺井は好奇心もあいまって承諾した
清一のいう相手の心が読み合えてしまう魔法は、魔法そのものは使わなかった。モンスターを介した関節的な手段で、ゴースト系モンスターを使う。ゴーストは人間とテレパシーで交流でき、互いに意思疎通の練習をして信頼度を上げると、以心伝心できるようになる。以心伝心できたら、ゴーストは主(あるじ)以外の他人の心を少しだけ読めるようになる。以心伝心とはいかないけど相手が何を考えてるのか漠然と理解
できるようになったゴーストに、チートアイテムの魔法のマントを装備させると、はっきりとプレイヤーの心が読める様になる。そのゴーストが人の心読んで、テレパシーして伝えると、相手がウソを付いているかどうかも判る。
また、そのゴーストは主の心を以心伝心で理解してるから、テレパシーにて相手に主(あるじ)の意識を伝えることもできる。清一はその行為をテレパシー魔法と読んでる
ゴーストは清一から魔法のマントを被せられた。
ゴーストは見えないから、マントだけが宙に浮いて見える。
ゴーストの力により、清一と寺井の以心伝心はじまった。
清一も寺井も、いやらしい顔をしている
清一「(*´д`*)ハァハァ」
寺井「(*´Д`)ハァハァ」
清一「確かに、嘘は、ついてなかったね」
寺井「そんなことよか、オレの人生の恥ずかいとこ全部見られてしまった。」
清一「僕も僕の全てをさらけ出してしまった。恥ずかしいよ」
寺井「余計なものまで感じた。ゴーストやりすぎだろ、途中から、擬似せっく」
清「それ以上言わないで。男同士で感じでしまうとか、目を背けたい現実」
寺井「ゴーストは以心伝心してるんじゃなくて、単にプレイヤー同士の漫才がみたいなだけじゃないのか?」
清一と寺井はお互いの顔を見合いながら、恥ずかしそうにし、鼻血を垂らした
寺井「どうしたらいい?、オレお前なしじゃ生きてけないかも」
清一「僕も自制心を抑えられないかも」
二人は夜の海に消えていった。
システム管理者竹内
(なんかだか凄いものを見てしまった。
(二人は海に消えたけとそれからどうなるんだろう…)
竹内はゲーム内で同じ場所に長居してるのは行動として不自然になるから、一旦ログアウトしていた。
竹内は家族を人質にとられてる。いざという時、自己防衛に武器が欲しい
ゴーストを使い、寺井と以心伝心して武器を得るとしても、武器の受け渡しは難しいかもしれない。物が手元に届く前に監視者に奪われかねない。
なら、護身で武器を持つのは諦めて、いざという時の避難場所を決めて、そこに武器を隠して、いざという時にそこに家族を避難させるのがいいかもしれない。
避難場所で最適なのは、家から近くで……
ボーリング場を思い出した竹内。ボーリング場は普段誰も使ってないから、武器を隠すのに最適かもしれない。
そうと決めたら、あとは寺井を脅して武器の手配させるだけだ。その前にゴーストとの以心伝心ができるように、ならなければ。
◆
◆
アルゼンチンサーバーにある魔法図書館に清一と寺井の姿があった。寺井は清一に弟子入りして、魔法学の勉強している最中であった。
突然寺井の中に誰かの思念が入ってきた。その感覚は以前に清一にされた以心伝心と同じものだった。
誰かの病んだ感情が寺井の中に流れてくる。
とても仄暗い圧があり、重苦しくい。恨みがましい怨念に取り付かれた様な気持ちになった寺井は、いてもたってもいられず、走り出した
「武器をボーリング場に隠せという」
しかし、今の寺井には使えそうなヤクザのコネがない。武器を手に入れる困難ではないが、日本まで密輸するのは困難極まりない
貨物船でこっちに来たときは、少ないながらも人脈があったからで、政府のヤクザ強制撲滅法のせいで、今は日本の港、及び空港は厳戒態勢た。忍び込んだとたん捕まるし、指名手配の寺井となれば即、殺されかねない。
システム管理者には諦めてもらいたいが、息子を思う気持ちの重さに、へこたれそうになる。どうやっても振りほどけない、落ち着かない気分で、夜寝られなくなってしまった寺井。マリファナ使っても寝られない寺井
行くしかない。寺井は民間セスナをハイジャックして、ハワイで給油し、日本の上空から飛び降りてパラシュートで行く方法しか思いつかなかった。
だが日本の領空に入ったとたん、レーダーに探知されるだろう。
パイロットを人質にし飛び降しても、着地点で逮捕されたら終わりだ。
寺井は考えた末、攻撃されない場所、日本の領空の外に着地することにした。すなわち海である。
寺井はサメに食べられ死んだ
おしまい
寺井は夢に魘されていた。昨日、システム管理者の脅迫に答えようとして、一日中、決死のプランを考えて、よっしゃ、これで行ける!というプランを思いついたけど、そのプランだと夢の中で寺井は死んでしまった。
もっと安全な方法が欲しい。そもそも寺井が日本に行くこと自体が無理が有るわけで、やはり誰かにやってもらうしかない。
とりあえず
師匠に相談してみよう。
寺井は師匠の清一に会って、以心伝心した。
以心伝心で清一は
寺井に憑依していたシステム管理者竹内の感情、怨念に影響された。
竹内が清一をストーカーしてた記憶も上司お菓子をくすねたのも、清一は認識した。ボーリング場の場所も認識した。
清一が武器を手に入れてしまえばいい。むしろ、そうしなければ、眠れなくなって死んでしまう。
何とかしないと寺井も死んでしまう。
清一は考えた。寺井の記憶の中にあるマサシという者の存在について考えた。寺井はマサシ別荘探り当てた。マサシ武器を持ってる可能性を考慮して寺井は武器を車のトランクに詰めてきた。
マサシが武器をどこかに隠した可能性なないのか?
作品名:引き篭りニートの親、VRゲームにハマる 作家名:西中