引き篭りニートの親、VRゲームにハマる
勢いは次第にエスカレートしていきスルメイカは、魔法でゴーストを呪縛した。
呪縛されたゴーストは寺井にもリンチされた。
「どうして! どうして! おともだちなのに!」
ゴースト悲しくなった。殴られて痛い思いをして、このままここで死んでしまうのだろうか、
なんとかして呪縛魔法を解いて、逃げ出して 竹内と清十郎の元に帰りたい.。
寺井とスルメイカに仕返してやりたい
しかし、捕縛魔法を解く方法がわからない。体力を回復する魔法もゴーストは使えない。
人生に絶望したゴーストの元に安井の声が届く
安井もスルメイカに裏切られ呪縛をかけられて動けなくなっていた。
ゴースト(このゲームはアイテムを巡ってプレイヤーキラーが現れるらしい。寺井たちは犯人で、だから寺井たちから幽霊屋敷に清十郎達を誘ったのだな!)
ゴーストは騙された怒りが、ふつふつと湧いてきた
安井
「いいですか、冷静になってください。呪縛から抜けるには、壁をすり抜けるつもりで、抜けるのです」
ゴーストは壁をすり抜けることがてきる。しかし、ゴースト自身も既に試していた。
「集中するのです。リラックスした心になると、貴方は魔法の束縛さえ抜け出せます。」
ゴーストの特性は、、癒されたりリラックスしていると、身体が柔らかくなる。
安井が言うには、その状態になればすり抜ける力がパワーアップする。
しかし、ゴーストは今、殴られてリンチされてる。とてもリラックスできる状況ではない。
安井
「まずは、怒ってください。怒りをイメージして、殺意を持ってください。体が硬くなり、殴られてもダメージを受けなくなります。」
ゴーストは生まれて初めて人間の友達ができた。うれしくて遠慮して寺井たちに殺意を向けられなかった。
「ゲームですから、殺してしまっていいのです。」
安井の言葉はっとしたゴースト。
自分はこの世界で生まれ、ここしか知らないから、清十郎や寺井たちも同じで、そうなんだろうと、勝手に思い込んでいた。
でも、
ゲームだから、死んでも生き帰ってこれる。
プレイヤーにとっては単なるゲームの世界でもゴーストにとっては痛みもあるし、死んだら終わる世界である。この世界ではプレイヤーはモンスターなんかより、遥かに気楽に滞在していて遊び呆けている。
ゴーストの怒りがフツフツと沸きあがる。
「いいですか、怒りが頂点に達したら、硬くなりダメージを受けなくなり、リラックスを感じとるチャンスです。感じたらすり抜けてください」
確かにゴーストは感じた。痛みが無くなり、リラックスしてきた。しかもリラックスしていると、体が柔らかくなって攻撃を吸収しているようで、痛みを感じない。
ゴーストは竹内に、もふもふされた事を思い出した。その瞬間、壁を抜け技をしてみたら、呪縛をぬけられた。
呪縛を抜けたあと、ゴーストは安井の声がした方向に向かった。
安井は森の中で、裸にされてロープで木に縛られていた。
『寺井の奴が私を犯したの!』
犯すの意味が分からなかったゴーストだが、安井の心をテレパシーで感じ取った。
『寺井を絶対に許さない!』
ゴーストの怒りのボルテージがMAXになる。
「これを食べて下さい」
安井が取り出したのは、怒りを自由に操れるアイテムであった。
それを食べると、ゴーストは冷静に力をコントロールできる。
ゴーストは寺井のいた方向に向かって、突進して行った。
安井にした仕返しとして、寺井に恐怖を与えたい。悪魔の様な幻覚を見せてやろう。
ゴーストは今、アイテムでパワーアップしている。生み出した幻は視覚ではなく、直接、脳神経の恐怖野に働きかける。
寺井は小便チビリながら絶叫した。
スルメイカ池内を置いて逃げる寺井。
スルメイカは逃げ遅れたので捕まえた。
寺井は恐怖で失神させ捕まえた
安井も捕まえたので、イベントをクリアしたゴースト。
ゴーストは安井たちと別空間で再開し、全ては仮想現実だったのだと知った。安井の心は寺井を恨んでないし、寺井も悪意なんてなかった。
今回、ゴーストは技の使い方を知ることができたが、それが幽霊屋敷クリアの報酬だった。
だが広場の掲示板に書いてあった課題は『館の秘密を解くこと』だった。
今回のイベントはそれとは関係なく、屋敷内には別の隠しイベントが存在する。それを解いた者は、このゲーム至上まだ存在していない。
寺井とスルメイカは、清十郎一向に別れを告げてログアウトした。
「大会に向けて練習したくなったら、相手をするから呼び出してくれ」、と言って消えた。
寺井達が去った後、寺井の書いてくれた地面のメッセージを見ると
人だかりができていた。
ゲームを内で人探しをしてるのは全体としては少数派で、野次馬たちの話題のタネになっている。
(野次馬の中に、もしかしたら息子が居たりして…)
野次馬たちは
「恥知らずなだな」
「自分の子供くらい自分でなんとかしろ」
「他力本願な親を見て、子供もそれ真似てるだけ」
という会話をしていた。
野次馬の一人と目の合った3人。
近づいてくる
何か文句を言われるかと思ったけど、
「西中と言います。実は私も似たような悩みがありまして…。良かったら仲間になって頂けませんか?」
その人は チャット通信で清十郎に会話を求めてきた。
声を出せば近くにいる野次馬に、からかわれかねないので、ヒッソリとコンタクトをとってきた。
清十郎たち3人が深刻そうな顔をしていたのを見て、もしやと思い、目が合ったそう。
西中さんは清十郎たちを自宅(プライベート空間)に招待し、お茶菓子を出してくれた。
◆
西中さんは、娘の事で悩んでるらしい。小学生の6年の子が、一年ほど前から、ずる休みする様になって、部屋に閉じこもる様になったという。いまでは不登校になっていて、3ヶ月、学校には行ってないそう。
学校でイジメにあったのは判るそうで、対処したけれど、そのイジメの問題が親が原因であるから、困り果てていいるという。
西中さんの職業は酪農家で、いわゆる命を扱う仕事で、保護者の中にベジタリアンがいて、その息子が娘さんに
「お前の親は動物の命を奪うキチガイだ」
と言ったそうで、それ自体はイジメとして学校側も取り合ってくれたけど、家庭の環境としては、『動物の命を奪う事実』は、変わらないわけで、娘さんは受け入れきれなかった。
西中さんは、最近になって、職業を変えようかと真剣に悩んでいるが、夫側とその両親が、乗り気ではなく、もし辞めるなら離婚して出ていってくれと言われたらしい。
娘が病んでる件は夫も理解はしているが、親には逆らえず、温度差を感じるそうで
これまでは酪農で牛の世話をすることは、誰かの為になるからと、誇り持って続けられたけと、よくよく考えてみれば
産んでくれと頼んでもないのに産ませて結果的に殺す訳だから、、自分がそんなことされたら嫌な訳で
作品名:引き篭りニートの親、VRゲームにハマる 作家名:西中