小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

引き篭りニートの親、VRゲームにハマる

INDEX|16ページ/57ページ|

次のページ前のページ
 

『引きこもりの子を持っ親からのメッセージです。子がこのゲームにハマり部屋から出なくなりまりました。つきましては子の居場所について心当たりがある人はIDまでメッセージを下さい』


内容は清十郎が考えたのと似ていた。


寺井

「説明が長くなると読みにくいので、短くしました。この文面からだと、バカ親子の様な印象ですが、かえってその方が面白がられて覚えて貰いやすいのかなと。面白がられて口コミで広まって貰えれば、何もしなくても情報が集まるかもしれませんし」


書く内容が寺井案で決まりそうだったその時


一人の女性が突然背後に現れた。テレポートして来た様子で

「はじめまして、安井といいます。清十郎さんから、メッセージを頂いたんですけど……」


その女性は、清十郎と竹内と同じく、引き篭りの子供を探していて、街の掲示板で懸賞金をかけて情報提供者を募っていた。清十郎は、ここに来る前に、その女性にメッセージを送っていて、それでやってきたのだ。

「良かったら、私も参加させて頂けないでしょうか」

安井はこのゲームで一年以上我が子を探していたが、手掛かり1つ見つけられなかった。それもそのはずで、プレイヤー人口が5000万人もの中で人探しするのは雲を掴むようなものだった。懸賞金を掛けたとはいえ、街の掲示板のデータベースは一万件以上あり、指名手配犯や行方不明者等の重い案件から、出合い系ビジネスのくだらない宣伝まで、さまざまあり、わざわざその中から安井の書き込んだ情報を見つけてくれる人は居ないのだという。見つけるのは、せいぜい同じ悩み持つ親くらいでーー


安井は当初、メッセージをくれた清十郎に対して、いかに人探しが徒労に終わってしまうのか説得しようと思っていた


しかし、清十郎たちメンバーがゲームを楽しんでる話を聞いたら、今の現状、人生を楽しんでいない自分が虚しくなりー


安井は失望するストレスから逃れる様に幽霊探索という遊びに志願した。




「宜しければ地面に書くメッセージに『懸賞金最大1億』も付け加えて下さい」


安井はどこかの金持ちさん、なのだろう

金持ちの子が部屋に引きこもるとか、庭付きの豪邸一件分くらいの部屋なのかもしれない。












ー安井のデーター


職業 青魔道士

青魔道士のスキルは敵の技を受けるとその技を習得できる。派手な演出技が多く、人気ある職業だ。


安井の覚えた技は、ダンジョン初期で出会うゴースト得意の幻覚攻撃。幻で脅かし相手を怯ませる効果がある。


一年プレイヤーの先輩だが、息子探しばかり奔走していたから、それ以外の技は覚えていない。


プロフィールには、「東証一部上場社長の婦人が引きこもる息子を探してます」と書かれている


こんなプロフィールでは、息子さんに近づいた途端、正体がバレてしまうだろう。懸賞金目当で誰かが息子さんを見つけたとしても、近づけば気付いて逃げて、雲隠れするに違いない。


安井は、もしかしたら、アホなのかもしれない。

いや、もしかしなくても究極のアホなんだ。

清十郎は安井の事を温かい目で見守ることにした。








金持ち安井を加えて総勢5人メンバーで幽霊屋敷攻略に挑む事になった清十郎。



幽霊屋敷に入った5人は、その瞬間から、全員がバラバラになった。屋敷そのものが幽霊の身体の中であり、また空間をねじ曲げる事ができる屋敷だった。屋敷は、プレイヤー全員の距離間隔を無限にした。魔法のマントで高速移動しても、物理的に出会えない距離にされ、テレポート魔法も打ち消される。5人はそれぞれチャット通信で互の状況を確認することしかできない。

メンバーにゴーストがいる場合、そのゴーストだけが、屋敷の影響を受けない。ゴーストはバラバラになったメンバー5人全て見つけだすと屋敷の謎が暴かれる。そういうイベント設定になっている。

尚、イベントの最中、プレイヤーは、その設定を記憶から除去される。つまり『ゲームをしている記憶』が失われる。ゲームをしている自覚がなく、森で幽霊屋敷に迷い込んだ気持ちになる。

ゲームに飽きることなく、何度でも楽しめるようにと考えた、メーカー側の配慮である。





〜清十郎視点〜

ここはどこだ?
私はたしかゲームを みんなでやってて

そう、ゲームに飽きて、みんな やることなくなって、退屈になって、幽霊屋敷といわれる廃墟で肝試しする事になったんだ。

でも、みんな、どこ行っちゃたんだろ?
屋敷に入るまでは、傍にいた筈なんだが、

「おーい、みんなーー!」

返事はない。

屋敷の外に出ようかと思ってもドアは見つからないし、窓は開かないし、それに外の景色が、ない。真っ赤だ。
唯一、血の海が広がる様に血平線が見える。屋敷の外は森だった筈なんだが。

良く見れば血の海の中を
ゾンビらしきものが、歩いてる。
一匹だけじゃない。

ゾンビはますっすぐ屋敷の方向に向かっている

早くドアを見つけて逃げないと。


屋敷を下に降りてく、階段を降りて出入り口に向かう

何階降りても、1階にたどり着けない。いつも二階から、降りてくる。

おかしいぞ?

清十郎の心ぼさと不気味さが、ピークに達したとき、

気配を感じた

近くに得体の知れない何かがいる。見えないが、それが近づいて来る

一体、お前は

く、
くるな

清十郎は走り出した。見えない化け物が迫ってくるので走り出した。しかし振りきれないい。


「たすけてーーーーー!」




ー竹内視点ー

今の声は、もしかして清十郎君?
学級委員の清十郎君なのね?

竹内は清十郎の声がした方向に向かった。皆と、はぐれてしまって、とても寂しい思いをしていた竹内。清十郎の声を聞きつけ廊下を走っていた

清十郎君??

人影を見た竹内。清十郎だと思って近づくが、
清十郎の身体が、肉片が、
食べられてる。
見えない何かに清十郎が喰われている。

見えない化け物
その胃袋には、清十郎の首なし頭が丸ごと入ってる。
大腸、肝臓、様々な臓器が、飲み込まれている。

バラバラになった清十郎が宙を浮きながら近づいてくる。
首なし清十郎は「たすけて、たすけて」と、うめきながら、竹内に迫ってくる。







ーゴースト視点ー

(*≧∀≦*)よっしゃ!

ゴーストは竹内と清十郎の二人を確保した。
二人には屋敷の魔法(イベントが終わるまで)が解けるまで、別空間で意識不明のまま待機しているという設定

「あとは寺井、安井と、名前忘れたけどスルメイカみたいなのを探せば、いいんだよな」

ゴーストは屋敷内をすり抜けながら、探した。屋敷の全部を隅々まで見たのに、誰もいない。

「もしかして、屋敷の外にいるのかな?」

ゴーストはそう思って外に出ると、森の中に寺井を見つけた。

(・」o・)」オーイ

しかし、寺井はこっちを見てくれない。

「聞こえないのかな?」

ゴーストが寺井に近づくと、背後から殴れる。殴ったのはスルメイカだった。

「 (ノ#´Д`)イタイ なんでこんな事をするの!


ゴーストの意見も虚しく、スルメイカはゴーストを殴りつける。