引き篭りニートの親、VRゲームにハマる
「いいか、お前たち5人もヤクザに、いつ口封じされるかわからない立場なんだからな。リアルに戻ったら、仕事は失敗したと伝えろ。ヤクザから逃げる逃亡資金は渡してやるから、戻ったら何もかも放り出して直ぐに逃げろ。いいな。わかったか!」
引きこもりニートに金があるはずはない。しかし、死んでもいい人からマントを奪うことで、カネを得ていた清一。
清一はサディストがこの世界を居場所に罪を犯していたことを知っていた。プログラムのキャラで殺戮するのに飽き足らず、プレイヤーキラーしている者(サディスト)を殺して奪ったマントをネットで売るのだ。そうやって得たカネは、こんなふうにヤクザから逃がすために使う。清一はこのゲームで正義のヒーローになれる快感に酔いしれてる。
むしろゲームの枠を超えて現実世界に影響を与えてるから裏社会のヒーローなのかもしれない。
しかしその清一も、まさか父親がプレイヤーキラーをしていたなんて思うまい。助けた目の前のオッサンが清一の実の父親だとか思うはずも無い。
真実を知らない清一は笑顔で清十郎を見送った。
清一からのアドバイスは、プレイヤーキラーは、危険だ。被害者はリアルでも死んでしまう。マントは捨てるなりして、何処かになくしたことにしないと、いつまたヤクザから命を狙われかねない。とにかく捨てるべきだ。
捨てたらこのゲームの端末も念のために破壊すること
清一のアドバイスは清十郎に耳にどう届いたのか
清十郎は話を聞いてから心を病んでた。一時期プレイヤーキラーをして40人は殺してしまったからだ。清十郎は、人殺しだったのだ。
しかし悪いのはこのゲームを、作った人間だ。人が死ぬなんてムチャクチャだ、
清十郎はゲームのメーカーに文句を付けようとおもったが、そんなことをしても、口封じに、殺される予感しかしない。
とにかく、毎日自己嫌悪でストレスが貯まるので、マントで、飛びたい。爺さんの説(清一のアドバイス)は親に怒られてるみたいで、なんとなく服従したのだが、マントも端末も捨てたくても、勿体なくて捨てられない。
そうか、息子ももしかしたら、ヤクザに命を狙われる恐怖を感じてるのだな。だから朝あんなに、イライラして、奇声をあげてるのだな。こりゃいかん、今すぐに、ゲームを、破壊して取り上げんと。
清十郎が寝室を扉を明け、廊下を、抜け階段を上がろうとしたき、
窓の外に人影見えた。人影と目が合う。無線らしきものを持っていて「やれ!」という声がきえた。
瞬間、玄関の扉が開き、水道工事の作業着員の振りをした多くの敵が雪崩込むように不法侵入してきた。
父親はそこで、取り囲まれ袋を被され、羽交い締めにされる。あやしい注射を打たれそうになった
瞬間
敵が倒れた。次々に、倒れる。
階段から、息子が降りてきた。マシンガンを、持っていた息子は敵を制圧し、父親を車にのせる。、しかし、敵にタイヤをパンクされてて、発進できない。
自転車もパンクさせられてる
やむ得ない。清十郎はこんな時のために部屋に逃走様の車を置いていた。
発進、二階の窓を突き破り、家々の瓦屋根を突き進む
とにかく政府とかヤクザとか警察に追われる立場なんだから、逃げなきゃいけない。
こんな時のために仲間とのアジトがあるのだが、まず敵の追跡を振り切らないといけない。ヤクザな友達から手に入れた武器を、使い切るしかない。
◆
海岸沿いの街
「父さん! ちょっと運転変わって!」
車を止めて降り、荷台に乗る清一。
清一は後ろから追いかけてくる車。マシンガン発泡してくる車に向けてロケットランチャーを浴びせた。
爆発炎上し、道がふさがれ、追っ手を、振り切った。
しかし政府の情報網は半端ない。街や道路のあちこちにある防犯カメラに逃げる軽トラックの姿が写ってしまう。監視、見られてる浸透感が半端ない。
ヘリコプターが追いかけてくる。
逃げ切ることは不可能。
「はい。これ持ってて!」
清一は親父に携帯用酸素ボンベを渡した
現在深夜二時。海に飛び込むのはきついが構わず崖っぷちから車ごと飛び込んだ。
〜清一のアジト〜
アジトまで逃げきれたのはいいものの、VRはもうできない。ネットワークにアクセスすればアクセスポイントを逆探知されて居場所を特定されかねない
「清一、これは一体どういうことか説明してくれ」
清一は、時間をかけて説明した
「これから、どうすればいいのだ。わたしたちは」
「…。
清一にはどうする事もできなかった。敵は国である。人口削減計画を知り、その計画を阻止しようと動いている清一は政府にとって邪魔な存在でしかない。国外に逃亡するならまだしも清一も清十郎も日本語しか話せない。
突如、アジト内の電話が鳴る。
清一にとってこの番号を知る者は武器を提供してくれたヤクザ関係者のみである。
ヤクザ関係者ならコール7回目で一度切って合図をする段取りになっている。コールは7回を越えて鳴り続けた。
清一は恐る恐る受話器をとった。
「もしもし? なぜこの番号を知っている?」
しばらく沈黙の後、電話の主は喋り始めた。
電話の主はゲームのシステム管理者だと名乗り、清一と清十郎の行動を監視していたという。
管理者は説明した。このゲームで起こっている政府の人口削減の陰謀を。
ゲームですら死ぬ様な思慮の浅い人間は社会に不要であること。その上で更にシステム管理者は突飛な説明をし始めた。
「違うんだ。これはゲームじゃないんだ。本当にゲームの世界ではないんだ」
清一はその言葉の意味が判らなかった。
「ゲームの世界と繋がってないんだ」尚もシステム管理者はその様に説明した。思わず清一が聞き返す。
「繋がってないなら、なんでゲームができるのか??」
そしてシステム管理者は言った。
「あのヘルメットデバイスは脳の処理を分析して幻を見せてるんじゃない。意識、魂もろとも、この地球とは、別の世界に送っているんだ。 だから、ネットワークサーバーなんていうシステムも作ってない。人の魂が行ける【とある世界】に、プレイヤーとして人間が集まっているだけなんだ。」
システム管理者は更に説明を続けた。
二十年前。死後の世界を発見した政府は、その世界の開拓するようなり、あらゆる人体実験をして、その世界を調べあげ、そのあの世界に人類の理想郷を作ろうと試みた。その結果、今の様なゲーム世界が造られた。あの世だから破壊することもできない。
だからって諦めていい問題ではない。あの世界に行けば人が沢山死ぬことになる。いくら人口削減が目的だとしても、納得がいかない清一だった。
「その実験に使っていた装置というのは、今はどうなってる? 使えないのか? その装置が手に入れば向こうの世界に行ってゲームの危険性をプレイヤー達に知らせる事はできると思うし、向こうの世界にメインサーバーみたいなものがあるなら破壊できるのではないか?」
清一の考え方は常軌逸しているものだったが、システム管理者は承諾した。
作品名:引き篭りニートの親、VRゲームにハマる 作家名:西中