左端から見れば全部右寄り Part-4
9.平和とは……
核兵器禁止条約が発効されたそうです。
なにか他人事のように書いているのは、実際に「ああ、そうなの?」と言う程度の感想しか持てないからです。
核兵器の廃絶に関心がないわけではありませんが、既に核を保有している国々が批准していないのですから、核兵器禁止を訴えたところで大した意味がありませんし、批准している国々だって本当に条約を守ろうと考えているのか疑問だからです。
核兵器なんてなくしてしまうに越したことはありません、それは絶対の真実だと思います。
ですが、現在持っている国々がそれを手放す可能性があるかと言えば『ない』と断言しても良いでしょう。
ですから核兵器禁止条約などと言うものは絵に描いた餅程度の意味しかないと思いますし、それに賛同するのは単なるポーズか、作る技術がない国くらいでしょう。
日本がこの条約を批准しないことに左側の人々は怒りや失望を表明してますね。
「唯一の被爆国である日本が賛同せずにどうするんだ?」
とか。
「菅政権は核兵器を持とうとしているのか?」
とか。
何を言っているんでしょう?
私に言わせれば、日本こそ核兵器を持つ資格がある国だと思うんですけどね。
もう一度念を押しておきますが、私は核兵器などなくなった方が良いと思っています、ですが、実際に世界中から核兵器が完全になくならない限り抑止力は必要だと思います、必要悪ですけどね。
全く恐ろしく厄介なものが発明されたものです。
平和は何よりも尊いと思います、ですが、お題目を唱えれば平和になると言うものではありません。
この世に犯罪を犯す者がいなくなれば鍵はいりません、ですが現実には鍵は必要であり、国に鍵をかけることはできないのです。
日本は戦争を放棄していますが、戦争は日本を放棄してはくれないのです。
自衛隊のポスターだったと思いますが、こんな言葉がありました。
「誰よりも強くなる、誰とも戦わないために」
よく訪問するブログにしばしば載せられている、おそらくはマンガの一コマだと思いますが、こんな言葉もあります。
「大昔から連綿と続く、数えきれないほどの人々の数えきれないほどの努力と命……。
想像すら及ばない膨大な血と汗と骨を積み上げて、積み上げて……。
ようやく得られた殺し合わずとも生きていける富と軍事力……。
その上にはじめて成り立つ、尊過ぎる財産、それが平和だ。
誰もが欲しくてたまらない、この上ない贅沢。
それが平和なんだ」
どちらも現実的な平和を言い当てていると思います。
もし、同じように暗い、別々の夜道を歩いている女性が二人いるとします。
ひとりは無防備で見るからに非力です。
もう一人は柔道か空手の黒帯を締めているとします。
暴漢はどちらを襲うでしょう?
後の方の女性は黒帯を手に入れるために汗を流して努力しました、その結果争いを避けられるんです。
そして、もし前の方の女性が『私は争いを好みません、無防備です、襲わないでください』と言うプラカードを掲げて歩いていたら? 暴漢は安心して襲うでしょうね。
「誰とも戦わないで済むように強くなる」
現実の世界ではそれしか戦わないで済む方法はないと思います。
そして。
「膨大な血と汗と骨を積み上げ」てくれたのは誰だったのか、どのような人だったのか。
それを考えれば『日本の政治家は靖国神社を参拝するな』などと言ういわれのない干渉に屈することなどできないと思うのです。
日本は核兵器禁止条約を批准しませんでした、私はその判断を支持します。
日本には、作ろうと思えばいつでも核兵器を作れる技術があります。
ならば『無防備です』などと言うプラカードを掲げることは馬鹿げたことだと思うのです。
暴行を受けてなにもかも奪われるとしても非暴力を貫きたいならばそれでも構いませんが、私は真っ平です。
作品名:左端から見れば全部右寄り Part-4 作家名:ST