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ジェノサイド・ワールド

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「フフッ、ハハハ……ハハハハハハハ!! アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!」

誰も見たことがない高笑い。無理して笑っているというよりかは本当に心の底から笑っているようだった。入口傍に立っていたメイドもあからさまに引いていて、大臣も顔を恐怖に滲ませていた。

「ど、どうしたんだねカイドー大臣!! 一体どうした……」

国王は思わずカイドー大臣に声をかけるが、カイドー大臣は笑いを止めない。汗を浮かべていた先ほどの態度とは一変、もはや気がくるってしまわんばかりに笑い続けていた。

頼みの綱が壊れてしまった。いよいよ全員が万事休すか、と覚悟した時、カイドーは突然高笑いをやめ、ポツリと言葉を漏らした。

「……この俺様とあろうものが、こんな作戦しか思いつかんとはな」

その台詞を誰もが聞き逃さなかった。

「作戦! カイドー大臣!! 今、作戦と言ったかね!!」


おおおおお、という声があがる。あの絶望的な男に、圧倒的な力を持つ【シロガネ】に、対抗できる策をカイドーは思いついた。それを知らせる発言だとみなが歓喜している。

「はい。国王陛下。確かに作戦と私は言いました」

「つ、つまり、奴を。シロガネをどうにかできるというわけかね!!」

「…………それは、わかりません。ですがやってみる価値はあるかと。少なくとも、こちらに害はありません。それに、運が悪くとも時間は稼げると見立てています」
作品名:ジェノサイド・ワールド 作家名:綺斎学