ジェノサイド・ワールド
村を巡ってはや8日。いい加減精をどこからか調達しないと、魔力が尽きそうになっていた。どれだけ人間の食事で補っても満たされない。味のしない栄養食をずっと食べているかのようにすら思えてくるのだ。どこかで発散、もとい吸収しなければ。しかしおじさんばっかりでなんだかなあ。若くてかっこいい活力ある男子はいないものか。
カヤックに跨り、熱中症をおこしそうな日差しの中、とうとう5つ目の村「ソースビー」に辿り着いた。今までめぐってきた中では一番大きく、看板にはアーチ状で「ようこそソースビーへ」と書いてある。相も変わらず砂まみれ何もかも乾いているが、サボテンがあちこちに生えている情景には少し心が落ち着く。
とりあえずBarを探し、飲み物を注文しがてら情報収集をするとしようか。
私はそんなことを考えながら村をカヤックのメル(名前を付けてあげた)と歩いた。
作品名:ジェノサイド・ワールド 作家名:綺斎学