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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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 玄関の内側には一畳ほどのスペースがあるが、下駄箱はない。プラスチックの5段トレーに、靴が収納されている。その天板に置いた箱に鍵が入れてあった。北木はその中に自転車の鍵を見付けて、
「自転車で通勤されてるんですか?」
「はい、駅までは。そこからバスです」
そんな話をしながら、靴を揃えて脱いで、中へ進んだ。右の扉がトイレ、左側がダイニングルームである。キッチンの流し台の奥に窓があり、南が立っているのが摺りガラス越しに見えた。風呂はキッチンに隣接されているが、部屋の奥側なので、窓は無さそうである。
「お風呂が覗かれる心配はないですね」
「でも脱衣所が無いんで、台所の窓から透けて見えそうだし、電気消して気を付けてます」
北木は注意深く、部屋の様子を伺いながら、
「そうかそうか。じゃ、カップ麺があったのはどこですか?」
「この流し台の横です」
「お湯を沸かした形跡ってありました?」
「お湯はこのポットに沸かしたのが保温してあるんで、どれくらい入ってたかは分からないです」
北木は流しの周辺を、更に注意深く見渡して、
「お箸はいつもここに?」
流し台の横の水切りトレーに固定されてる、鉛筆立てのようなケースを指差した。
「はい。さっき、新しいの買って来ました」
奈美がそう言って、小さなダイニングテーブルの上に置かれた、未開封の箸を見せた。
「窓の鍵は、いつも掛けたままですよね」
「はい」
「たまに開けることとかありますか?」
「換気扇使うんで、ないです」
北木は天井近くの古い換気扇を見た。こんな壁に取り付けた古い換気扇は、使用時にスリットフィンが開いて、外から覗かれる可能性もあるが、摺りガラスに透ける位置なので、その心配は無さそうだ。そして窓枠に手をかけ、鍵を開けて奈美を見た。