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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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第2章: 現場確認



 南が運転する車両の助手席で、北木刑事がぽっかりと口を開けて、居眠りをしている。それを横目に南は、
(普段怖い先輩だけど、アラサー独身関西女。無防備な姿を見せられると、変な気を起こしちゃうよ。僕は年上には興味ないけどね)

 井上奈美の住所に着いた。車を止めると同時に、北木は目を覚ました。
「着きました」
「うーん」
北木は欠伸しながら、目を細めて頷いた。
「あのマンション?」
「ええ、アパートって聞いてたんですけど、結構大きな建物ですね。古そうですけど」
「オートロックとか無さそうや。何階?」
「2階だそうです」
 4階建てのその建物は古く、エレベータは設置されていないようだった。車通りもそれほど多くない前面道路に駐車して、二人は車を降りた。南が建物に入ろうとすると、
「まだやで。周辺を観察してからやん」
北木がそう呼び止めて、首で合図した。彼女は生活安全係に就いて5年目だった。捜査手法も堂に入っている。新人の南は現場捜査はまだ経験が浅く、今日は奈美の自宅に立ち寄ったくらいにしか、考えていなかった。
「南くん。あんた、2階のベランダに登れる?」
北木は建物のベランダを見上げてそう聞いた。
「ええ。人目を気にしなければ、余裕で登れそうです」
「そやんな」
「208号室なので、恐らくあの部屋じゃないかと・・・」
「角部屋やん。怪しー。横に外階段あるし、簡単に侵入できそうやん。1階の手摺りとかに、足跡とか無いか?」
北木は、1階の部屋のベランダに近付いて、よーく観察した。
「大丈夫そうやな」
それを南は棒立ちで見ていた。
「何してねん。こうやって下調べしてから訪ねんにゃで! 普通に女子の部屋に入れてもらうつもりで来たんか?」
「いえ。先輩・・・さすがですね」