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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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 その日の夕方、南は上司の東出警部補に、奈美の事案を報告した。先輩の女性刑事の北木も、その様子を見ている。捜査に出ていた東出は、汗を拭きながらその調書を受け取り、
「また勘違いじゃないのか? 具体的な被害があるわけでも無さそうだし」
「でも、カップ麺が食べてあったのは、どう考えても不自然だと思うんです」
「酔っぱらってて覚えてないんやろ? 知らんけど」
隣のデスクから、北木刑事が口を挿んだ。
「被害妄想か何かかも知れないと思ったんですけど、お箸だけ盗まれたみたいで」
「変な窃盗犯だな。それこそ信じられん話だ」
北木は東出の持つ調書をのぞき込み、
「20歳か。一人暮らしで不安なんやろけど、この子可愛かったん?」
「はい。・・・え? いや、別にそんな。特にどうとか・・・」
「何慌ててんねん。可愛いかったら被害にも遭い易いさかい、聞いてんにゃろが、アホ」
「北木、一度自宅訪問して、確認して来てくれるか?」
「そうですね。一度見舞ってやったら、安心して収まりそうですね」
北木刑事は調書を受け取ってバッグに押し込み、部屋を出ようと歩き出した。その様子を南刑事は、呆気にとられた様子で見送っていると、東出が南を指差して、
「お前も行け」
「早よおいでや!」
北木が廊下で叫んだ。