EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー
事件は一件落着し、お茶を飲みながら、南刑事は北木刑事ともに東出警部補に報告した。
「井上さんの証言の、部屋に不審なことがあったのは、すべてこの3人の犯行日時と一致します」
「はじめは、お箸盗まれた言うて、勘違いから始まったのに、それ無かったら今頃、えらいことになっとったかもやんな」
「ホントだな。しかし、容疑者3人とも、何も盗ってなかったんだな」
東出は何とも怪訝そうに首を振った。
「はい、井上さんの証言通り、盗まれた物は無いようです」
「ただ侵入し、部屋内を物色しては欲望のまま楽しんで、元通りにして去っていたわけか」
「まさにストーカーやね。やることが変態的愉快犯、倒錯の世界やわ」
北木も呆れた表情で話した。
「でも3人とも別の容疑者を目撃していて、それぞれを交際相手と思ってたんですね」
「それで余計に嫉妬心から、3人それぞれが犯行を繰り返してたわけか」
「そんなん思われとったと聞いたら、井上さん、怒るやろなぁ」
「まったくですよ! そんな娘じゃないのに!」
「おお南、お前、すっかり彼女に入れ込んでるだろ。それ知ってたら、捜査から外してたところだぞ!」
「やめてくださいよ。そんなんじゃないですよ(笑)」
「ははははは、ストーカーを三つ股にかけるくらいやし、あの子、結構やり手なんちゃう? 知らんけど」
作品名:EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー 作家名:亨利(ヘンリー)