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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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第1章: 被害なし届



 奈美は警察に相談に訪れる前日に、小学時代からの親友、川崎恵美莉に連れられて、アパートの管理会社を確認の為に訪れていた。引っ越して来て間もない頃から、部屋に誰かに侵入されてるんじゃないかって、気がしてならなかったので、恵美莉に相談していたのだった。
「今、鍵をお持ちですか?」
対応した窓口の持田が奈美に聞いた。
「はい。これです」
 持田と言う女性は、奈美が部屋を探していた時の担当者だった。彼女の誠実な対応もあって、その部屋に決めたというのもあった。彼女は鍵を受け取ると、じっと目を凝らしてその先端を見た。
「このキー、新しいですね」
「鍵は新品に交換されてるんですよね?」
言葉少なな奈美の代わりに、恵美莉が聞いた。
「そうです」
「ドアの鍵ごと交換されるんですよね?」
更に恵美莉が念を押して聞いた。
「はい。一応確認してみますけど、全アパートの入居者が変わる度に、新しい鍵に付け替えてる筈なんですよ」
そう言うと彼女は、鍵を持って事務所の奥の部屋に入って行った。恵美莉は奈美に、安心するように、目配せをして頷いた。
 暫くすると持田が封筒を持って戻ってきた。
「お待たせしてすみません。今、鍵の番号を調べてみたんですけど、入居頂いた3日前に業者が鍵の交換を完了していました。これがその時の『作業報告書兼納品書』です」
まず恵美莉が、封筒から出された書類の内容を確認した。奈美もそれに目を向けたが、混乱していて、内容までは確認する余裕はなかった。
「じゃ、前の住人が入って来ることはないんですね」
と恵美莉が尋ねた。
「前にお住まいだったのは、80歳くらいのおばあちゃんでしたよ」
と持田が言うと、
「そのおばあちゃん、部屋で亡くなったとか?」
奈美は別の心配でそう聞いた。
「そうじゃないですよ。確か老人ホームに入居されたんでしたよ」
「なんだ・・・」