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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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 PPPPPPPP,PPPPPPPP、PPP・・・・・・北木のスマホが鳴った。

「もしもし? 南くん?」
[先輩。また205号室の小田が、外階段をウロウロしてます。あ、ベランダを覗き込んでますね。今、踊り場にいます]
それを聞いた北木は、サッとカーテンを開けた。すると小田は咄嗟に隠れて、2階に上がって行った。
[怪しいです。やっぱり、井上さんの部屋に執着してますね]
 
「井上さん。今205号室の小田が、またこの部屋を見てたそうや。いつも怪しい行動に気付かへんかった?」
 奈美は、困惑した表情になって、
「ええー? たまに出会うくらいで、ちゃんと挨拶したこともないから」
「気ぃ付けてや。完全に狙われてるわ」
「マジッ!? あたし、奈美がまた、大げさに心配してるだけかって思ってたのに」
「だから違うって言ったじゃん! 恵美莉、今夜も泊まってってよー」
「そうしようか?」
「そんなん出来るん? 川崎さん仕事は?」
「あたし学生だし、大丈夫です」
「じゃ、そうしてあげてくれる?」
 しかしその日、日曜の晩はストーカーも休みのようである。何事もなかったようだ。その日から恵美莉は、奈美の部屋に住み込みを続けることにしたのだった。

 それから数日間、奈美の部屋に異変が起きることはなかった。監視カメラが付くと、何事も起こらないものである。南刑事は毎日、足しげくアパートを訪れ、奈美を勇気付けた。
 北木刑事の勘では、郵便局の大原は渉外活動中(外回りの仕事中)に、奈美のアパートに立ち寄ると見込んでいた。また、奈美が出勤中に恵美莉が在宅している場合でも、何者かが留守と見込んで侵入してくることも考えられるため、恵美莉には、部屋にいる間は、音楽を鳴らし続けるようにさせていた。一方、郵便局に現れる中居の面(めん=顔のこと)は取れていなかったので、奈美に隠し撮りをお願いしておいたら、窓口に来たところを、まんまとスマホの動画で撮影に成功した。
 これで3人のストーカー候補は、捜査の対象としてマークされた。そして結末はあっけなく訪れた。