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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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第6章: 3人の被疑者



 翌日の土曜日、南刑事が奈美のアパートを訪問して来た。非番の北木刑事に、そう指示されていたからだったが、南自身嬉しかった。何しろ、可愛い被害者を守ることは、イヤな仕事じゃないだろう。
 アパートに入ると、階段でまた住人とすれ違った。それは昨日すれ違った男性だったが、今度は南は声をかけた。
「おはようございます」
「あ、・・・・」
相手はしっかりとは声に出さず、軽く会釈して下りて行った。

 ピンポーン

 インターホンが押されると、すぐに奈美は返事し、ドアが開けられた。その時はドアを開ける前に、まずチェーンを外したことに、鈍感な南でも気付いた。
(僕には警戒してないってことかな?)
「どうぞ、ご苦労様です。入ってください」
「はい。いいんですか?」
「ええ、廊下じゃ目立ちますし。今日は北木さんは?」
「今日は休みなんで、僕だけです」
奈美は、一瞬戸惑ったように動きを止めたが、ニヤリと笑ってダイニングキッチンへ入って行った。南はそれを見て、ゆっくりと靴を脱いで、恐るおそる、
「お邪魔します」
前日にも入室したとは言え、今日は男女二人だけのシチュエーションに、緊張は隠せない。
(なんで、入っちゃったのかな? 北木先輩に話すと、怒られるんじゃないかな?)
 部屋には奈美の好きな『電光花火』が流れていた。
「『ヨルドラ』聞いてるの?」
「ええ、しょっちゅう聞いてます。一人暮らしだと、音楽でもかけとかないと何かと不安で」
「うん。解ります。でもバスで声かけられた時、この音を聞かれて、その話題を持ち出されたりしてるんじゃないかな?」
「ええ? そうかな?」
「ここまで来られてたら怖いよな」