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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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「まずいなぁ」
北木はプリウスの中を見られると、警察車両だとバレる恐れがあると考えていた。そこで素早くサッシを開けて、部屋の空気の入れ替えを装い、階下を見た。すると北木と目が合った大原は、バツが悪そうに、そのまま車を発進させた。
「もう大丈夫や、帰ってったわ」

 キッチンでは、落ち着きを取り戻し立ち上がった奈美に、南はダイニングの椅子を引いて、腰を掛けさせた。
「怖かったやろ」
そう言って、北木は奈美を抱きしめた。
「ありがとうございます。でも犯人があの人だったなんて」
「いや、まだ証拠が挙がったわけやないし、そうは言い切れへんねん」と難しい顔で北木が言うと、
「これからしばらく、その男をマークすることになると思います」と南が奈美に告げた。しかし実際には、この程度で被疑者を尾行したり、周辺に刑事を張り込ませることはあり得ない。
「その間は私、どうしてたらいいですか? 郵便局に出勤するのも、この部屋にいるのも怖いです」
「でも、部屋に侵入した物的証拠も無いですし、まだ逮捕できるほどの状況証拠もないですし」
「それはそうやな。しばらくは、普段通りに生活するしかないやろね」
「普段通りって・・・」
「あいつの車には乗らんようにして、二人だけで会うようなことも避けるんやで」