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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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「井上さん、急にお呼び出しして申し訳ありません。何か用事があったんじゃないですか?」
北木はそう言いながら、運転する男の顔を確認した。大原は一瞬、目を逸らした。
「大丈夫です。すぐ部屋に行きます。大原さん。ごめんなさい。こう言うわけなんで、打合せは月曜の朝にお願いします」
そう言うと大原は、
「俺も行こうか?」
と奈美を呼び止めた。奈美は焦った。
(どうしよう? すんなり、帰ってくれそうにない)
「同居されてるんですか?」
奈美を見て、北木が言った。奈美は首を振った。
「でなければ、他の入居者と訴訟問題になりかけてますので、部外者の方はご遠慮ください」
すると大原は渋々、シフトレバーをドライブに入れ、
「じゃ、また連絡してよ」
そう言って車を出した。それを見送って、ようやく奈美は安堵して泣き出した。その姿を、先ほど2階から下りて来た住人が見ていた。北木は奈美の肩を抱いて、急ぎ足で部屋に向かった。

「大丈夫だった?」
南は心配そうに声をかけたが、奈美は目を合わせず黙ったままだった。部屋の鍵を開けると、北木は当然のように部屋に入った。南は廊下で待機しようとしたが、奈美が南を見て「どうぞ」と手で合図したので、3人ともダイニングキッチンへ入ると、そこで奈美は床に座り込んで泣いた。それを北木が慰めるのかと思いきや、
「南くんお願い」
そう言ってリビングに入り、カーテンの隙間から外を見た。南は片膝を着いた状態で、奈美のそばに寄り添いながら、北木刑事の動向を見ていると、北木はカーテンから身を少し引いた。
「やっぱし、戻って来た」
大原の車が、ゆっくりと引き返して来て、2階を見上げている。そして再び、アパートの前に停車した。