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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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EMIRI 4 三つ股してる?大親友のストーカー

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第5章: 捜査対象



 大原が黙って左折して、進行方向を変えた。
(あ、やっぱり私の住所知ってるんだ・・・。そうか、住所変更届を見たのね)
「あの・・・私の家、分かりますか?」
奈美は恐るおそる聞いた。大原はしばらく沈黙した後、
「大体はね。多分こっちじゃないかって分かるんだよ」
「そんなこと、どうしてですか?」
「君に気持ちが通じてるからかな?」
(キモッ! やっぱりこの人キモい)「この通りをまっすぐで合ってます」
奈美は冷静を装った。
「本当はどのあたりかは知らないよ。ナビしてね」
(ウソつき―。白々しいー。降りたい―!)「はい、ゆっくり安全運転でいいですよ」
それを聞いて、大原は車のスピードを落とした。奈美は緊張で、体が震えそうになるのを、必死で我慢した。
(50キロ道路なのに、40キロ出てないじゃん。そんなに一緒に居たいか!?)
自宅に着く4,5分前、遠くにパトカーのサイレンが聞こえた。奈美はきっと北木刑事と南刑事が、アパートに急行してくれてるんだと思い、緊張がさらに高まった。

「南くん。2階で待機。マル対(被疑者)は私が対処するし」
南刑事が外階段を駆け上がると、ちょうど2階から住人の男性が下りてきた。それを見て、南は平静を装い、ゆっくりと歩いた。
 北木はアパート前に停めた車の横に立って、奈美の帰りを待った。この車は捜査車両だが、大きく物々しく見えないよう、小型のプリウスで駆け付けていた。しかし、無線やパトランプ等も装備されていて、その車内を被疑者に見られるとまずい。すぐに対応出来るよう、スタンバイした。
 やがて、白い軽自動車が近付いて来るのが見えた。助手席には奈美が乗っている。北木はアパートの前に横付けされないよう、少し前に出て待ち受けた。車が停まると、
「どうもすみません!」
奈美はすぐにドアを開けて、飛び出して来た。