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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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205号室にいる 探偵奇談23

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潤は駆けだした。追いかけて来るのか。駄目だ、隠れないと。
パニックになった足取りで階段を駆け下り、一階の共同トイレに駆け込む。この時点で、もう冷静な判断が出来なくなっている。暗いトイレ内には異臭が漂っている。右手に男子便器が三つ。左手に個室が三つ。潤は一番奥の個室に入り鍵をかけ、和式便器のそばに座り込んだ。


カン   カン   カン


ハイヒールの音が、階段を降りて来る。ゆっくりと、ゆっくりと、しかし足取りは迷いなく、こちらに向かっているのが潤にはわかる。ばれているのか、どうすればいい…。

息がうまく出来ない。極度の恐怖と緊張で、体が震える。


こつ


「!」

トイレ内に、入って来た。じっと気配を探す様に、足音がやむ。まるで、こちらの様子を伺っているようだ。


こつ  こつ  こつ


タイルを踏むハイヒールの音が、個室の方へ近づいてくる。

ギィ…

一番目の個室を開く音…。

バタン
閉じる音。

こつ  こつ  こつ

二番目の個室へ向かう足音。