北へふたり旅 46話~50話
北へふたり旅(50) 北へ行こう⑥
なんだかんだで2時間半。
ようやくのことで、3泊4日の旅行日程が完成した。
函館まで新幹線。
函館から札幌まで片道4時間の特急の旅。
3日間のレンターカがついて、旅の総額は税込み18万円。
高いか安いか、さっぱりわからない。
生まれてはじめての鉄道旅行。
いままではどこへ行くのも車のハンドルを握り、2人で出かけた。
居酒屋をはじめる直前。
これから忙しくなるからその前にと、2泊3日の旅に出たことがある。
いまから20年前の話だ。
行先は能登半島。輪島の朝市と金沢の兼六園が目的だった。
このときも移動に使ったのは乗用車。
しかし歳を重ねてくると車の移動は、身体につらいものがある。
JTBの窓口で、少しもめた。
「函館からレンタカーで札幌まで移動する?。
正気なの、あなた」
「海沿いをいく高速なら、4時間。
中山峠を越えていく最短コースは、260㎞あるけど
空いているから4時間半。
どちらを行っても4時間以上かかるけどね」
「おなじ4時間でも電車なら、座っているだけで札幌へ行けるわ。
あたしは嫌よ。
ビール片手に駅弁を食べながら、札幌まで優雅にいきたいわ」
「ビールに駅弁か・・・。
電車旅ならではの醍醐味だな。確かにそいつは」
「そう思うでしょ、あなたも」
作品名:北へふたり旅 46話~50話 作家名:落合順平